2023/04/29

健康講座608 クルクミンについて

 こんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。今日は、クルクミンについてお話しいたします。

クルクミンは、インドや東南アジアなどで広く栽培されているショウガ科の植物、クルクマ(Curcuma longa)の根茎から抽出される黄色色素です。伝統的には、カレーやターメリックライスなどの料理に色や風味を与えるために使用されてきました。

近年、クルクミンには健康効果があるとされ、注目を集めています。実際、クルクミンには、抗炎症作用、抗酸化作用、免疫調節作用、抗菌作用などの様々な生理活性が報告されています。

例えば、クルクミンは、発がんや糖尿病、心疾患などの疾患の発症や進行に関与する炎症を抑制することが知られています。さらに、アルツハイマー病などの神経変性疾患の治療にも有望であるとされています。これらの効果は、クルクミンが様々なシグナル伝達経路に影響を与えることによって生じると考えられています。

また、クルクミンには、肝機能を改善する、脂質代謝を促進する、糖尿病の発症リスクを低下させる、炎症性腸疾患を改善するなどの効果も報告されています。

さらに、クルクミンは、身体的、精神的なストレスに対する抵抗力を高め、脳機能を改善することが示唆されています。一例として、日本の東北大学医学部で行われた研究では、健康な成人男性を対象に、クルクミンを含む飲料を1週間摂取したところ、脳波のα波活性が増加し、ストレスへの対処能力が改善したと報告されています。

以上のように、クルクミンには、様々な健康効果があることが知られています。ただし、クルクミン自また、クルクミンは生薬であるため、その摂取方法についても注意が必要です。クルクミンを含むサプリメントや健康食品の摂取に際しては、製品の品質や信頼性についても確認することが大切です。

以上のように、クルクミンには様々な健康効果が期待されており、それらの効果については多数の研究が行われています。しかしながら、その効果はあくまで予防や補完療法の範疇であり、医療行為としての治療には使われていません。また、クルクミンは生薬であるため、その摂取方法については注意が必要です。クルクミンを含むサプリメントや健康食品の摂取に際しては、製品の品質や信頼性についても確認することが大切です。

【参考文献】

  1. Aggarwal BB, Harikumar KB. Potential therapeutic effects of curcumin, the anti-inflammatory agent, against neurodegenerative, cardiovascular, pulmonary, metabolic, autoimmune and neoplastic diseases. Int J Biochem Cell Biol. 2009;41(1):40-59.

  2. Shehzad A, Rehman G, Lee YS. Curcumin in inflammatory diseases. Biofactors. 2013;39(1):69-77.

  3. Sahebkar A. Curcuminoids for the management of hypertriglyceridaemia. Nat Rev Cardiol. 2014;11(3):123-134.

  4. Liu Y, Wu Y, Zhang X, et al. Curcuminoids: Implication for inflammation and oxidative stress in cardiovascular diseases. Phytother Res. 2019;33(6):1594-1605.

  5. Aggarwal BB, Sung B. Pharmacological basis for the role of curcumin in chronic diseases: an age-old spice with modern targets. Trends Pharmacol Sci. 2009;30(2):85-94.

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