2023/08/31

健康講座736 心疾患と塩

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 心の健康を守るためには、食卓のソルトを控えるのが一つの方法かもしれません。テュレーン大学での研究が、たとえ普段から少ない塩分を摂っている人でも、料理に塩を振りかけることが心の病気にリスクを持つかもしれないと示唆しています。

この研究では、17万6,570人以上の成人の食習慣を調査。結果として、料理に塩を振りかける習慣が少ない人は、しばしば塩を振りかける人よりも心の病気のリスクが19%から23%低いことが分かりました。特に、心不全や虚血性心疾患との関連が高いことが明らかにされました。ただし、脳卒中に関しては明確な関連は認められませんでした。

驚くことに、心の健康を最も保つ方法は、DASHという食事法を取り入れて、塩の使用頻度を最も少なくすることでした。DASH食事法は、高血圧を予防する目的で推奨される食事法で、果物や野菜を多く摂り、砂糖や脂肪の多い食品を制限するものです。

料理に塩を振りかけない人の中には、健康的な生活習慣を持つ人が多いこともわかりました。例えば、適切な体重を保ち、適度に運動し、喫煙しないなど。一方で、料理に塩をよく振りかける人の中には、喫煙する人や社会経済的地位が低い人が多かったとも報告されています。

しかし、この研究はあくまで関連性を示したもので、因果関係は明確には証明されていません。だからといって、塩の使用を控えることで、心の病気のリスクを下げることができると言えるかもしれません。

まとめると、健康的な食事や適度な運動はもちろん大切ですが、毎日の料理にどれだけの塩を使うかも心の健康に影響するかもしれません。食卓に塩を置かないことで、健康な食生活を維持する手助けとなるでしょう。最終的には、塩分2g未満の食事を心がけ、使用頻度にも注意することが大切です。


2023/08/18

健康講座735 メンタルヘルスと血流の関連

 こんにちは、小川糖尿病の内科クリニックです。今日は女性のメンタルヘルスと血流の深い関連性についてお話しします。

女性の体は独特で、月経により血流が変わりやすく、この血流の変化がメンタルにも影響を及ぼすことが知られています。特に、セロトニン、いわゆる「幸せホルモン」の産生に必要な鉄分が不足すると、女性は不安を感じやすくなるとされています。

1. 血流とメンタルの関係

血流は身体の各部分への酸素供給や栄養の運搬を行う大切な役割を果たしています。血流が悪化すると、身体のさまざまな部位がその影響を受け、特に脳においては、気分や感情のバランスが崩れることがあるのです。

2. 必要なストレスと不要なストレス

ストレスには2種類あると言われています。一つは目標達成のための「必要なストレス」。もう一つは無駄な「いらないストレス」。特に、女性は献身的で他人を思いやる性格が多いため、この「いらないストレス」を溜め込みやすいとされています。

3. 血流不足が引き起こすメンタルの問題

血流不足とそれに伴うメンタルの問題は、無視できない大きな問題です。具体的には、心がボロボロになり、動けなくなることや、うつ病のリスクが上がることなどが挙げられます。

解決策:嫌なことからの逃避

嫌なことから逃げることが解決の鍵です。これは卑怯ではなく、自分の心を守るための重要なステップ。得意なことを伸ばし、苦手なことは他者に頼むことで、人生を楽しく、効率的に進めることができます。

実践:血流ゼロトレ

血流改善エクササイズの実践動画がYou Tubeなどに多数掲載されています。これらのエクササイズを取り入れることで、血流を良くし、メンタルの安定を図ることができます。

まとめ

  1. 女性のメンタルと血流は密接に関連している。
  2. 2種類のストレスと適切な対処法を知る。
  3. 嫌なことから逃げ、得意なことを伸ばすことで心の健康を保つ。

私たちの身体や心は複雑で、そのバランスを維持するための方法もさまざま。しかし、今回学んだように、血流の改善を始めとしたいくつかのシンプルな方法で、そのバランスを向上させることができます。皆さんも日常生活の中で、これらの方法を取り入れて、健やかな心と身体を保ち続けてください。

健康講座734 「骨盤底筋群と健康への新しいアプローチ血流改善術」

 皆さん、どうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックです。

血流の良し悪しは私たちの健康状態や日常のパフォーマンスに大きく影響します。良好な血流は酸素や栄養分を全身に運ぶため、私たちの体が最適な状態で機能するためには不可欠です。しかし、現代の生活様式や環境は血流を妨げる要因が多く、多くの人々が肩こりや冷え性、腰痛といった症状に苦しんでいます。

まず、重力の影響で胃腸や子宮が下がり、それによって血流が悪化することがあります。特に女性は内臓が下がることでポッコリお腹の原因となることが知られています。また、常時スマートフォンやコンピュータの前に座って作業をしている現代人は、呼吸が浅くなりがちです。呼吸は体内の酸素供給だけでなく、血流を促進する重要な役割も持っています。この浅い呼吸が原因で肩こりや腰痛が発生するケースも多いのです。

そして、最も注目すべき点は「第2の心臓」とも称されるふくらはぎの筋肉です。これは心臓から遠い足先への血液の供給や、そこからの血液の戻りをサポートしています。しかし、運動不足や加齢により筋肉が弱ってくると、この「第2の心臓」の役割が低下し、血流が滞り、むくみや冷え症状が現れることがあります。特に夜間の頻尿の原因となるのは、このふくらはぎの機能低下が大きく関係しています。

私たちの体には、骨盤底筋群という重要な筋肉群が存在します。それは骨盤の底部を形成し、多くの身体機能に深く関与しています。その筋肉群は、私たちが日常生活の中で焼肉店などで使用する他の筋肉と密接に連携しています。この筋肉群をしっかりと活性化させることで、体のバランスを整え、健康的な状態を維持することができます。

骨盤底筋群を伸ばすことは、体の中心部を引き上げ、体全体のバランスを整える役割を持っています。特に女性にとって、骨盤底筋群を強化することは、子宮の位置を整える効果も持っています。子宮が適切な位置にないと、骨盤が歪んでしまうことがあるのです。

体の中心を引き上げることで、姿勢が良くなり、ぽっこりとしたお腹も改善されるのです。これにより、腹筋群が正しく働くことができるようになり、体幹が強化されます。

猫背の改善とその意義

私たちの姿勢が正しくないと、背中や首の筋肉に負担がかかり、横隔膜の働きが悪くなり、呼吸が浅くなってしまいます。呼吸は、血液を心臓に戻す役割を持っているので、呼吸が浅くなることで、体の血流が滞ってしまいます。その結果、肩こりや腰痛などの症状が現れることがあるのです。

しかし、正しい姿勢を意識し、体のバランスを整えることで、深い呼吸ができるようになり、ふくらはぎの筋肉も適切に動くことができるようになります。

骨盤底筋群の効果的な活性化と血流の促進は、健康な体を保つための鍵となる要素です。これらの筋肉は体の中心部に位置し、体のバランスや内臓の位置を正しく保つ役割があります。この筋肉群を鍛えることで、体のバランスが整い、姿勢が良くなるだけでなく、女性においては子宮の位置が整い、生理の不調や痛みの軽減、さらには妊活にも良い影響をもたらします。

一つの効果的な方法は、特定のトレーニングを取り入れることです。具体的には、タオルを使って行うエクササイズが挙げられます。このエクササイズは、身体をしっかりと伸ばし、その際に全身に血流を促進させることが主目的です。私自身も試してみましたが、気持ち良さと爽快感が得られるのが実感できます。トレーニングの際のポイントとしては、リラックスして行い、首や肩に無理な力を加えないよう心掛けることです。また、呼吸のリズムにも注意が必要で、特に吸うときにはゆっくり3秒、吐くときは自然に息を放出することで、首の力を抜くことができます。

さらに、朝の時間帯にこのエクササイズを行うことがおすすめです。東洋医学の観点からも、朝は内臓の活動が活発とされているため、この時間帯にエクササイズを行うことでさらなる効果が期待できます。事前に体を温めるために薬膳茶や良質な鶏肉を使用したチキンスープを摂取することも、効果を高める方法としておすすめされています。

さて、血流の良さは身体の健康にとって非常に重要です。特に女性にはセックスを通じて骨盤底筋群を鍛え、血流を向上させる方法が有効とされています。セックスは、骨盤底筋群を含めたお腹周りの筋肉を収縮させることで、血流の改善や生理の不調の軽減、妊活のサポートなどの効果が期待されます。

結論として、骨盤底筋群の強化や血流の改善は、健康的な体を維持するために欠かせない要素であり、そのための方法やポイントを日常生活に取り入れることで、より健康な日々を迎えることができるでしょう。

2023/08/16

健康講座733 3.4分の活動でがんリスクを削減!? 簡単な日常活動の効果

 こんにちは!みなさん、普段の生活で忙しくて運動をする時間が取れないと感じていませんか?そんな方に朗報です!

驚きの研究結果! シドニー大学の新しい研究によれば、普段あまり運動をしない方でも、日常の高強度の短時間活動を続けるだけで、がんのリスクを大幅に減少させることが可能です。

シドニー大学の新しい発見

シドニー大学のEmmanuel Stamatakis氏らのチームは、日常生活中に行う断続的な高強度の身体活動(VILPA)が、がんの発症リスクを大きく減少させる可能性があることを発表しました。この研究結果は、JAMA Oncology誌に掲載されました。

研究の対象と方法

  • 対象: 英国バイオバンクのデータベースに基づき、普段運動をしないと答えた参加者を対象としました。
  • 方法: これらの参加者にウェアラブルデバイスを使用して活動データを収集し、その後の6~7年間の健康記録を調査しました。
  • 調査期間: 参加者は2021年まで追跡調査されました。

主な結果

  • 参加者の概要: 参加者22,398人のうち、男性は45.2%。平均年齢は62.0歳で、平均的な追跡期間は6.7年でした。

  • がん発症: この期間中に2,356例のがんが発生し、そのうち1,084例が身体活動と関連があるとされるがんでした。

  • VILPAとがんの関連:

    • VILPAを1日中央値で1分(最大で1日4.5分)行っている場合、全てのがんのリスクは20%減少し、身体活動に関連するがんのリスクは31%減少しました。
    • さらに、VILPAを1日3.4分間行うだけで全がんのリスクが17%、1日3.7分でPA関連がんのリスクが28%減少することが明らかになりました。

VILPAの例

VILPAは、短時間で高強度の日常の活動を指します。具体的には、家事の中での重たいものの持ち上げや、買い物袋の運搬、早足での歩行、またはゲームなど、身体を動かす活動を指します。このような活動は連続して行うのではなく、日常の中で数分間行うのが特徴です。

まとめ

この研究から、運動をする時間が取れない人でも、日常生活の中で短時間だけ高強度の活動を取り入れることで、がんのリスクを減少させることが可能であることが示されました。短時間でも効果的な身体活動を取り入れることで、がんのリスクを減少させることができる可能性があるため、日常生活の中での小さな変更が大きな健康効果をもたらすことが期待されます。

あなたも今日から、日常生活の中でちょっとした時間を使って、身体を動かす小さな活動を始めてみてはいかがでしょうか。健康のため、そしてがんリスクを下げるための、新しい日常の選択肢としておすすめします!

2023/08/14

健康講座732 「ホルモンの揺らぎ、心の花開き: 更年期を最高のステージに」

 みなさん、小川糖尿病内科クリニックからの情報をまとめて、更年期以降の女性が内臓脂肪を減らす方法について詳しく解説いたします。更年期以降、女性はさまざまな変化に直面しますが、特に内臓脂肪の蓄積に注意が必要です。

1. なぜ更年期以降、内臓脂肪が増えるのか?

閉経前の女性の体はエストロゲンという女性ホルモンによって守られています。エストロゲンは内臓脂肪の蓄積を防ぎますが、更年期以降にその量が減少すると、内臓脂肪の蓄積が進む可能性があります。しかし、生活習慣の改善でこれを抑えることができます。

2. 内臓脂肪のチェック方法

腹囲と血液検査の2つの方法があります。特に、肝機能検査のAST、ALTの値に注目すると、内臓脂肪の蓄積の兆候を早期にキャッチできます。

3. 有効な運動方法は?

筋トレと有酸素運動の組み合わせがベストです。最近はHIT(高強度間欠運動)なども推奨されてます。

4. 糖質制限の効果

糖質制限は効果的ですが、過度な制限は避けるようにしましょう。適度な糖質制限であれば、長期的に効果が期待できます。

5. 睡眠の重要性

睡眠不足は、食事に対する制御を乱すため、内臓脂肪の増加の原因となります。理想的な睡眠時間は6時間以上です。

まとめ、更年期以降の女性は、生活習慣やホルモンの変化によって体の変化が起こりやすくなります。しかし、適切な対策をとることで、健康的な体を維持することが可能です。みなさんも、これらの情報を参考に、健康的な毎日を送りましょう。

プラセンタ注射 現在出荷調整ですが、新規受付を再開しております

こんにちは、小川糖尿病内科クリニックです。

「プラセンタ」は胎盤から抽出される成分で、胎児の成長と発育に不可欠なものです。医薬品や化粧品として利用され、体内の調整作用や肌の若返り、老化防止などの効果が期待されます。

プラセンタ注射は、動物の胎盤に含まれる有効成分を抽出し、ヒトの体内に取り込むものです。ヒアルロン酸、コラーゲン、必須アミノ酸、たんぱく質、成長因子が含まれており、肝機能改善やアンチエイジング、美肌作用、更年期障害緩和などに役立つとされています。ただし、副作用としてアレルギー反応が起こる可能性があります。

当クリニックでは、以下の価格で注射としてのプラセンタ療法を提供しております。

  • 1回 1,500円:プラセンタエキス1アンプル(2ml)
  • 1回 2,000円:プラセンタエキス2アンプル(4ml)

日本で認可されているプラセンタ製品はラエンネックとメルスモンの2種類で、これらは肝機能異常や更年期障害の治療に利用されています。なお、唐沢 陽介ほかの研究(薬理と治療 9(3)299~308,1981)では、更年期障害の方31名を対象にメルスモンを1週間に3回、2週間続けて合計6回皮下注射し、有効率77.4%(24/31名)が示されました。

最初の1~2ヶ月(初期療法)は週に1~2回、維持療法は1週間ないし、2週間に1回が効果的です。効果としては、肝臓病、アトピー性皮膚炎、皮層乾燥症、しみ、しもやけ、生理痛、生理不順、冷え症、レイノー現象、便秘、更年期障害などが挙げられます。

保険適応は肝機能異常に限りラエンネック(筋肉注射)、更年期障害に限りメルスモン(皮下注射)となります。その他の病名では自費となります。

注意点としては、プラセンタ注射を受けると献血ができなくなる点、変異型クロイツフェルトヤコブ病等の伝播のリスクを完全に否定することはできない点があります。

妊娠中の使用は基本的に問題ないと思われますが、必要性については検討が必要です。また授乳中の乳汁分泌不全の保険適用もあります。

以下はよくある質問をまとめて解説します。一部上記と重複します。

プラセンタ注射は、その効果を実感するまでの期間に個人差があります。以下では、主な効果とその効果を実感するまでの期間、及び主な副作用について解説します。

  1. プラセンタ注射の効果:
  • 更年期障害の改善:自律神経失調症や肩こりなどを改善する効果があります。特に更年期障害の症状に悩む女性にとって、プラセンタ注射は有効な手段となり得ます。

  • 美肌効果:プラセンタには抗アレルギー・抗炎症作用があり、肌の炎症を抑えて組織の修復を促進することで、肌を美しく保つ効果があります。

  • 白髪の減少:一部のケースで、プラセンタ注射の継続使用により白髪の減少が報告されています。

  1. 効果を実感するまでの期間:

プラセンタ注射の効果が実感できるまでの時間は、個々の体質や状態によります。平均的には2~3回の治療で効果を実感しやすいとされています。一度のプラセンタ注射による効果の持続期間はおおよそ2~3日程度とされています。

  1. プラセンタ注射の副作用:
  • 注射による一時的な痛み:注射部位に痛みや青あざが出ることがありますが、これらは数日で治まることがほとんどです。

  • 献血制限:プラセンタ注射を行った場合、その後の献血が制限されます。

また、プラセンタ注射を受けると新陳代謝が活発になり、一部の人々には体重増加の原因になる可能性があることに注意が必要です。しかし、これはプラセンタ注射が直接的な原因で太るわけではなく、新陳代謝が活発になることによる食欲の増加が原因であると考えられています。

保険適用については、治療する疾患の種類によります。具体的には更年期障害(適用年齢:45~59歳)、乳汁分泌不全(産後女性)、慢性肝疾患による肝機能障害(ALT(GPT)が基準値を超える者)に対して保険が適用されます。

妊娠中の女性でもプラセンタ注射を受けることは可能です。ただし、受けるかどうかについては、医師と相談した上で判断することが重要です。

プラセンタ注射とピルの併用については、基本的に問題ありません。ただし、プラセンタが女性ホルモンを活性化する作用があるため、ピルの作用を減弱させる可能性があると一部で考えられています。これについても医師と相談することが重要です。

プラセンタ注射の効果を最大限に引き出すためには、継続的な投与が必要となります。その際、投与量や頻度については、医師の指示に従うことが重要です。

ロゴ決定

ロゴ決定 小川糖尿病内科クリニック

皆さま、こんにちは。 当院のロゴが決定いたしました。 可愛らしいうさぎをモチーフとして、小さなお花をあしらいました。 また、周りは院長の名字である「小川」の「O(オー)」で囲っております。 同時に、世界糖尿病デーのシンボルであるブルーサークルを 意識したロゴとなって...