2023/02/17

健康講座568 糖尿病GRADE研究

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 2型糖尿病患者では、糖化ヘモグロビン(HbA1c)の目標値を維持するために、メトホルミンに加えいくつかの種類の血糖降下薬が投与されますが、その相対的有効性は明らかにされていなかったようです。米国・マサチューセッツ総合病院は、「GRADE研究」において、4種類の血糖降下薬の効果を比較し、これらの薬剤はいずれもメトホルミンとの併用でHbA1c値を低下させたが、その目標値の達成と維持においては、グラルギンとリラグルチドが他の2剤よりもわずかながら有意に有効性が高いことを確認しました。

 GRADE研究は、2型糖尿病患者の治療における4種類の血糖降下薬の相対的有効性の評価を目的とする無作為化並行群間比較試験であり、2013年7月~2017年8月の期間に、米国の36施設で参加者の登録が行われました。

 対象は、2型糖尿病の診断時の年齢が30歳以上、糖尿病の罹病期間が10年以内で、500mg/日以上のメトホルミンによる治療を受けており、過去6ヵ月間に他の血糖降下薬を使用しておらず、HbA1c値が6.8~8.5%の患者でありました。

 被験者は、インスリン グラルギンU-100(以下、グラルギン)、スルホニル尿素薬グリメピリド、GLP-1受容体作動薬リラグルチド、DPP-4阻害薬シタグリプチンを投与する群に無作為に割り付けられました。全例がメトホルミンの投与を継続しました。


 5,047例が登録され、グラルギン群に1,263例、グリメピリド群に1,254例、リラグルチド群に1,262例、シタグリプチン群に1,268例が割り付けられた。ベースラインの全体の平均(±SD)年齢は57.2±10.0歳、41.5%が60歳以上で、10ヵ所の退役軍人省医療センターの参加を反映して63.6%が男性であり、白人が65.7%、黒人が19.8%、ヒスパニック/ラテン系が18.6%含まれた。

 それぞれの平均値は、糖尿病の罹病期間4.2±2.7年、メトホルミンの1日投与量1,994±205mg、BMI 34.3±6.8、HbA1c値7.5±0.5%であった。平均追跡期間は5.0年であり、85.8%が4年以上の追跡を受けた。

 重症低血糖はまれだったが、グリメピリド群(2.2%)は、グラルギン群(1.3%、p=0.02)、リラグルチド群(1.0%、p≦0.001)、シタグリプチン群(0.7%、p≦0.001)に比べ有意に高頻度であった。消化器系の副作用の頻度は、リラグルチド群(43.7%)が他の治療群(グラルギン群35.7%、グリメピリド群33.7%、シタグリプチン群34.3%)に比べて高かった。また、4年間の平均体重減少はリラグルチド群(3.5kg減)とシタグリプチン群(2.0kg減)が、グラルギン群(0.61kg減)とグリメピリド群(0.73kg減)よりも大きかった。

2023/02/03

健康講座567 加工食品と大腸がん

 みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 ソーセージやインスタント麺といった超加工食品の摂取量が多い男性は、大腸がんリスクが高く、女性では超加工食品摂取量と同リスクの関連はなかったが、調理済み/加熱した混合料理の摂取量が多いと、大腸がんリスクが高いといった関連が、米国・タフツ大学よる検討で示されたようです。

 研究グループは、米国の医療従事者追跡調査に参加した男性4万6,341人、看護師健康調査に参加した女性15万9,907人から、食事摂取量の記録があり、ベースラインでがんの診断を受けていなかった参加者を対象に、超加工食品の摂取と大腸がんリスクとの関連を調べたものです。

 超加工食品の例としては、炭酸飲料、ソーセージ、ビスケット、キャンディー、インスタントスープ/麺、甘味/塩味スナック菓子、加糖牛乳およびフルーツ飲料などが含まれました。追跡期間24~28年間で、大腸がん3,216例(男性1,294例、女性1,922例)が報告されました。
 男性では、超加工食品摂取量の最高五分位範囲群が最低五分位範囲群と比べ、大腸がんリスクが29%高かったようです。こうしたリスク増大の関連性は、遠位大腸がんでのみ認められたとのことです。さらに、BMIや食事の栄養面の質指標で補正後も、関連性は有意なままだったとのことです。
 一方で女性については、超加工食品摂取量と大腸がんリスクとの関連は認められなかったようです。

 サブグループ解析では、男性は肉/鶏肉/魚介類ベースの調理済み食品や加糖飲料、女性は調理済み/加熱した混合料理の摂取量が多いほど、大腸がんリスク増大との関連が認められました。

 女性では、ヨーグルトや乳製品ベースのデザートの摂取量が多いほど、大腸がんリスクが低いことも認められたようです。
原著

ロゴ決定

ロゴ決定 小川糖尿病内科クリニック

皆さま、こんにちは。 当院のロゴが決定いたしました。 可愛らしいうさぎをモチーフとして、小さなお花をあしらいました。 また、周りは院長の名字である「小川」の「O(オー)」で囲っております。 同時に、世界糖尿病デーのシンボルであるブルーサークルを 意識したロゴとなって...