みなさんどうもこんにちは。
小川糖尿病内科クリニックでございます。
エイジング(老化)に対する考え方が、健康に影響を及ぼす可能性を示唆する研究報告が増えてきております。老化を肯定的に捉えている人は否定的に捉えている人よりも、健康で長生きするのではないかとする論文が、過去20年間で複数発表されているのでございます。
全米の50歳以上の約1万4,000人を対象として、老化を前向きに考えることと身体的な健康、健康につながる行動、心理的幸福との関係を調査したものがあります。その結果は、老化に対する満足度が最も高い人は、満足度が最も低い人に比べて、4年間の追跡期間中の全死亡リスクが43%低いというものだったのです。また、老化に対する満足度が高い人は、糖尿病、脳卒中、がん、心臓病などの慢性疾患のリスクが低く、認知機能も優れていて、身体活動量が多い傾向にあり、睡眠障害は少なかった。さらに、そのような人は仲間が多く、楽観的で、より強い目的意識を持っていたとのことです。
この論文では、老化の捉え方と健康行動は両方向性の関係にあると説明します。例えば、50歳以上で自分の老化に満足している人は健診受診率が高いことが示されたということです。それとは反対に、老化によって健康が害されることは避けられないと考えている人は、老化を抑制する行動を取ろうとしない傾向も浮かび上がったとのことです。
[2022年8月19日/American Heart Association]