2024/09/03

健康講座832 鼻からのインフルエンザワクチン;フルミスト

 

小川糖尿病内科クリニックでは、2024年から新たに国産の鼻スプレー型インフルエンザワクチン「フルミスト」の導入を予定しております。このワクチンは、鼻腔内に直接スプレーされる生ワクチンであり、注射型のワクチンとは異なり、痛みを伴わないため、特に注射が苦手な方や小さなお子様に適しています。供給の制約により、今年度は20人限定での提供となります。予約は9月中旬から開始し、接種は10月から実施する予定です。

フルミストワクチンの詳細

使用方法: このワクチンは、両鼻に0.1mLずつ噴射する形式で提供されます。これにより、ウイルスが直接鼻の粘膜に作用して免疫反応を引き起こし、効果的にインフルエンザウイルスに対する防御を構築します。




引用画像参照元:https://youtu.be/HaBrWH4BvH0?si=QeH95hJqLpAbgf_w

適用年齢: フルミストは、基礎疾患のない2歳以上19歳未満までの方に適用可能です。この年齢範囲のお子様にとって、鼻スプレー型のワクチンは、特に接種が容易であり、子供たちにとってのストレスが大幅に減少すると考えられます。

接種対象外: 鼻水や泣きじゃくることでワクチンが流出する可能性がある方、高容量ステロイドの吸入治療を受けている喘息患者、2歳未満または19歳以上の方、ワクチン成分に対して過去に重度のアレルギー反応を示した方、免疫抑制状態の方、妊婦、人工内耳を装着している方などは接種対象外となります。

費用: 接種は1回9,000円

1シーズンに1回の接種が必要です。これにより、接種の手間が減少します。

フルミストの特長

痛みのない接種: フルミストは注射針を使用しないため、接種時の痛みがなく、特に小さい子どもたちにとって大きな利点となります。これにより、接種に対する恐怖心や抵抗感を大幅に軽減できる可能性があります。

免疫反応の強化: ワクチンは鼻や喉の粘膜に直接作用するため、通常の注射型ワクチンが主に誘導するIgG抗体に加え、粘膜に分泌されるIgA抗体も生成されます。これにより、インフルエンザウイルスに対する免疫応答がより効果的に行われ、予防効果が向上します。

広範な予防効果: フルミストは、A型インフルエンザウイルス2種類とB型インフルエンザウイルス1種類に対応しており、これにより幅広いインフルエンザ株に対する保護を提供します。また、流行するインフルエンザウイルスの株が異なる場合でも、症状の軽減効果が期待できます。

副反応

お子様の場合: 主な副反応には鼻水、喘鳴、頭痛、嘔吐、筋肉痛、発熱、喉の痛みなどがあります。これらは通常、接種直後に始まり、軽度で短期間で消退します。

成人の場合: 成人における主な副反応には鼻水、頭痛、咳があります。これらも通常は軽度で、短期間で解消されることが多いです。

重度のアレルギー反応: 稀に、インフルエンザワクチンの接種後にアナフィラキシーなどの重度のアレルギー反応が発生することがあります。このような反応は、100万回の接種につき1~2件の割合で発生し、発生した場合はアドレナリンの筋肉注射での治療が必要です。その他、非常に稀ですが、ショック、急性散在性脳脊髄炎、脳炎、脊髄炎、視神経炎、ギラン・バレー症候群などの重篤な副反応が起こる可能性があります。これらの症状が認められた場合は、すぐに医師に相談してください。

フルミストは、特に小さなお子様にとって、従来のインフルエンザ注射に比べて、シーズン中に一度の接種で済むため、大きなメリットを提供します。このワクチンの導入により、注射の痛みを心配することなく、効果的にインフルエンザから保護することが可能となります。興味のある方は、9月中旬からの予約開始にご注意ください。20人に予約が達した時点で今年度は受付終了となります。詳細については、当クリニックまでお問い合わせいただければと思います。

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