2019/05/06

健康講座44~死亡率が2倍となっている糖尿病事情

こんばんは。

小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。

今回は中国での変化についてです。

智識謙虚さのなさが地位と知識を化石化されるとききます。

わたしもはじめて知ったことも発信して参ります。

では。


ここ数十年で中国の糖尿病有病率が急激に上昇している
。英国・オックスフォード大学のFiona Bragg氏らは、中国の都市部と地方から集めた成人約51.3万例を7年間前向きに追跡した研究で、糖尿病と超過死亡との関連を調査。
JAMA誌2017年1月17日号掲載の報告。

30~79歳の成人51万2,869例を7年間追跡
 研究グループは、糖尿病と超過死亡との関連を評価し、糖尿病関連の絶対超過死亡を、中国の都市部と地方について調べた。7年間の全国前向き調査は、中国10地域(都市部5、地方5)から30~79歳の成人51万2,869例が参加して行われた。被験者は2004年6月~2008年7月に集められ、2014年1月まで追跡を受けた。
 
 ベースラインで糖尿病を確認。主要評価項目は、全死因死亡と疾患別死亡で、、ベースラインでの糖尿病有病者vs.非有病者の補正後死亡率比(RR)を推算・比較した。

糖尿病関連死は都市部よりも地方で高い
 
 非有病者と比較して糖尿病有病者は、全死因死亡率が有意に高かった(1,373 vs.646例/10万、補正後RR:2.00、95%信頼区間[CI]:1.93~2.08)。

また、その率比は、都市部よりも地方で高かった(各RRは1.83[95%CI:1.73~1.94]、2.17[95%CI:2.07~2.29])。
 
糖尿病を有していることで、次の疾患による死亡増大との関連が認められた。

虚血性心疾患
脳卒中
慢性肝疾患
感染症
肝臓がん
膵臓
女性の乳がん
女性生殖器系

 また、慢性腎臓病RRは、都市部と比べて地方のほうが高かった。
 糖尿病有病者において、全死亡の10%(地方16%、都市部4%)が、糖尿病性ケトアシドーシスまたは糖尿病性昏睡(計死亡408例)が原因であることが確認または有望視された。

 中国において糖尿病が、心血管系に限らず幅広い疾患別死亡率増大と関連していること、また、有病者は都市部のほうが多いが、超過死亡との関連は地方のほうが強いことを明らかにした。

国の事情は違いますが、同じアジア人での統計ですから非常に示唆に富みます。

日本での治療は世界的にみて秀逸です。

しかしながらまだまだ健常人と同じ健康状態は体現できておりません。

我々と患者さんとで一歩一歩前進しましょう。

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