2020/03/12

新型コロナウイルス感染症について~過度に恐怖しパニックにならないでください~

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニックの小川義隆です。

 4万4,000例を超える新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疫学的調査結果が報告されました。COVID-19は確定例の約81%で軽度であり、致命率は2.3%と非常に低いです。1,023例の死亡のうち、過半数が60歳以上および/または併存疾患を有しており、軽度または中等度の患者では死亡は発生していません。


 さらに、中国から報告される症例は重症例が多く、前提としてこれらの報告が感染者のうちの肺炎患者に限られています。つまり、軽症例が報告から漏れている可能性があります。中国以外の報告例には軽症例が多く、中国国内でも実際には軽症から重症まで幅広く発症していると考えられるため、軽症者を母数に加えることで現在報じられている2019-nCoVの致死率が下がる可能性があります。
 最新のデータでは1%未満というデータもでてきております。




 インフルエンザや、ほかの新興感染症と比較して現段階では致死率は低いものの重症化しやすい患者には、ICU入室が多い高齢者・持病のある人が挙げられます。



 軽症患者の臨床的特性としては、最初の1週間は軽い感冒とほぼ同じ症状で、微熱と倦怠感が主訴となり、この時点で2019-nCoV感染の診断は困難です。そのまま良くなるケースもあれば、1週間経過時に呼吸苦を訴え、肺炎と診断されたケースもありました。



 日本国内の新型コロナウイルス感染症診療においては、現時点で明らかにされている臨床像を発表論文に基づき以下のようにまとめました。

・潜伏期は平均5.2日
・感染源の発症から2次感染者の発症まで(発症間隔)は7.5日
・受診までは4.6~5.8日
・入院までは9.1~12.5日


 現段階では、インフルエンザと比較すると肺炎合併率がやや高い印象があります。感染率はインフルエンザと同等と考えられ、基礎疾患、高齢者・高齢者施設を守る対策が重要です。

 逆に、若い方、特に10歳未満の小児においては感染しても発症リスク、重症化リスクは高くありません。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)そのものは、一般の風邪ウイルスとほぼ変わらないウイルスです。むしろ、症状が軽微なくらいなため、知らないうちに感染し、知らないうちに他の方にうつしてしまうところが懸念されます。繰り返しますが、若い一般の方にとっては、風邪と何ら変わりありません。ですので、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)だからといって特別視せず、過度に恐怖する必要はありません。風邪やインフルエンザと同じように対策すれば問題ありません。インフルエンザの方が重症度は高いくらいです。
 
 しかしながら、気づかないうちにどんどん広まってしまうため、高齢や基礎疾患があり免疫不全の方が罹患してしまうと命にかかわります。それは、ほかの感染症でも同じことです。高齢や基礎疾患があり免疫不全の方は、風邪でもインフルエンザでも肺炎になったり、命にかかわることがあります。ですので、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)であろうが風邪であろうがインフルエンザであろうが、やることはほぼ同じです。うつらないように予防し、うつさないように対策し、熱があれば安静にし外出しないことです。

下記に具体的な内容を抜粋してありますので、ご参照ください。

 新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安

1.相談・受診の前に心がけていただきたいこと
○発熱等の風邪症状が見られるときは、学校や会社を休み外出を控える。
○発熱等の風邪症状が見られたら、毎日、体温を測定して記録しておく。
2.帰国者・接触者相談センターに御相談いただく目安
○以下のいずれかに該当する方は、帰国者・接触者相談センターに御相談ください。
 ・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続く方
 (解熱剤を飲み続けなければならない方も同様です)
 ・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方
○なお、以下のような方は重症化しやすいため、この状態が2日程度続く場合には、帰国者・接触者相談センターに御相談ください 。
 ・高齢者
 ・糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)の基礎疾患がある方や透析を受けている方
 ・免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方
 (妊婦の方へ)
 妊婦の方については、念のため、重症化しやすい方と同様に、早めに帰国者・接触者相談センターに御相談ください。
 (お子様をお持ちの方へ)
 小児については、現時点で重症化しやすいとの報告はなく、新型コロナウイルス感染症については、目安どおりの対応をお願いします。
○なお、現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況であり、インフルエンザ等の心配があるときには、通常と同様に、かかりつけ医等に御相談ください。
3.相談後、医療機関にかかるときのお願い
○帰国者・接触者相談センターから受診を勧められた医療機関を受診してください。複数の医療機関を受診することはお控えください。
○医療機関を受診する際にはマスクを着用するほか、手洗いや咳エチケット(咳やくしゃみをする際に、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖を使って、口や鼻をおさえる)の徹底をお願いします。




また、県から発表されておりますこちらのHP(←クリックすると自動的にサイトへ移動します)をご確認の上、対象の保健所にお問い合わせください。

HPには正しい手洗いの仕方や、咳エチケットについても記載されていますので、感染症対策にも役立ちます。

なお、東海市は知多保健所(電話番号:0562-32-6211)に一般相談窓口が設置されております。

・厚生労働省 相談窓口 電話番号:0120-565653(フリ―ダイヤル)
 受付時間9:00~21:00(土日・祝日)
・電話でのご相談が難しい方 FAX:03-3595-2756

不要不急の外出を避ける、帰宅後の手洗いや手の消毒などの感染症対策をお心掛けください。


 







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