2019/07/25

健康講座89~米国専門科の食事の見解

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。

U.S.ニューズ・アンド・ワールドリポート誌(U.S. News & World Report)は食事ランキングを発表し、第2位の「地中海食」と第1位の「DASH食(高血圧予防のための食事療法アプローチ)」がランク付けされた。なお、DASH食は8年連続で総合第1位を獲得した。

 同誌の編集局次長を務めるAngela Haupt氏は、地中海食について「おいしく、実用的かつ栄養に富んでおり、心疾患や糖尿病などの慢性疾患の予防や管理にも有用性が高いことが研究で示されている」とコメントしている。

 一方で、ランキングでは厳しい制限を必要とする食事療法は避けるべきとされ、最近話題の極端な糖質制限ダイエット(ケトン体ダイエット;Keto Diet)は最下位に位置づけられた。Haupt氏は「専門家によれば、炭水化物の摂取を極端に制限する必要はなく、厳しい制限は長続きしないと評価された」と述べている。

 このランキングは、米国でもトップクラスの栄養士や食生活コンサルタント、糖尿病・心臓病・減量の専門医などで構成される専門家パネルが、減量効果や心疾患、糖尿病に対する有効性などの9つのカテゴリー別に40種類を超える食事療法の定着度や有用性などをランク付けしたもの。米マウントサイナイ病院ダブリン・ブレストセンターの臨床栄養士、Kelly Hogan氏によると、総合第1位に位置づけられた地中海食とDASH食はいずれも幅広い健康的な食品から選択できる柔軟性があり、個人に適した最良の食事を取れる点が高く評価されたという。

 また、地中海食とDASH食はどちらも果物や野菜、全粒穀物のほか、不飽和脂肪酸などのヘルシーな脂質、脂肪分の少ないたんぱく質、低脂肪の乳製品を多く摂取し、加工食品や飽和脂肪が多い食品を避けるなど多くの共通点がある。そのため、Hogan氏は「特定の食品を制限する必要がないことは、幅広い栄養素をバランス良く摂取する上で大変重要な視点になる」と説明している。

 一方で、極端な糖質制限ダイエットについては、Haupt氏とHogan氏はともに「急激な減量ができるものの、厳しい制限のある食生活はそうそう長く続けられるものではない」とコメントしている。Hogan氏によると、極端な糖質制限ダイエットでは、日常的な身体活動を維持するのに十分なカロリーを摂取できないため痩せることはできるが、減らした体重を長く維持できず、減量してもすぐリバウンドしてしまい、結果的に減量が難しくなるという。

 今年のランキングでは、民間企業が提供する体重管理プログラム「Weight Watchers」が初めて高評価を得た。このプログラムでは日々のエネルギー摂取量の上限には目安はあるが、幅広い種類のカロリー控えめな食品が販売されており、好きなものを選んで食べることができる。また、インターネットやスマートフォンのアプリを活用して専門家に相談したり、励ましを受けることも可能だ。ただし、Hogan氏は、このプログラムは減量を目指した食生活の改善に初めて取り組むような人には適しているが、一通り学んだ後は自分自身に適した方法を自分で選んでいく必要があるとしている。

 最後に、Haupt氏らはダイエットを成功させるには、まずは自分自身をよく知ることが重要だと強調している。同氏は「外食が好きな人は自炊が必要なダイエット法は選ぶべきではないし、ワイン好きがそれを禁じるような方法を選んでも長くは続かない。今年は“何を食べないようにするか”ではなく、“自分の健康のためには何を食べるべきか”に注目してほしい」と述べている。

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