2019/07/29

健康講座91~太る、注意果汁100%

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。

痩せたければ果汁100%でもジュースは避けた方が良いかもしれない。米バージニア・メイソン・メディカルセンターのBrandon Auerbach氏らによる研究から、果汁100%ジュースを1日1杯飲むだけで、長期的にわずかだが体重が増加することが明らかになった。この研究結果は「Preventive Medicine」4月号に掲載された。

 大規模な前向きコホート研究である女性健康イニシアチブ(Women's Health Initiative;WHI)に1993~1998年に登録された閉経後女性4万9,106人を対象に、食物摂取頻度調査に基づいた果汁100%ジュースの摂取量と医療機関で測定された3年間の体重の変化との関連について検討した。

 対象者の体重は3年間に平均で1.5kg増加していた。年齢、人口学的因子、喫煙、BMI、ホルモン補充療法、生活習慣因子、果物の摂取量の変化、加糖飲料の摂取量の変化などの体重に影響する可能性がある因子で調整して解析した結果、1日当たりの果汁100%ジュースの摂取量がコップ1杯分(約180mL)増えるごとに、3年間に体重が0.18kg増加することが分かった。

 さほど大きな体重増加には見えないかもしれないが、平均的な国民でも毎年1ポンド(0.45kg)増加する米国人にとっては大きな増加だ。果物のジュースに含まれている糖分が米国に肥満を蔓延させる一因となっている可能性がある。果汁100%ジュースを飲むことで増えた体重は、同量の加糖飲料を飲んだ場合とほとんど変わらないレベルだ。

 今回の研究では、果汁100%のジュースを飲むと体重は増えるのに対し、果物そのものを食べると体重が減少する可能性も示唆された。果物を1日1回食べると3年間に約0.45kgの減量が期待できることが分かったという。

 コップ1杯の果汁100%ジュースには糖分が15~30g含まれ、カロリーも60~120kcalあるという。果物そのものにも糖分は含まれているが、ジュースよりも食物繊維が豊富だ。食物繊維が少ないジュースを飲むと、糖分がすぐに血液中に取り込まれてしまい、インスリンの働きを不安定にさせ、代謝に悪影響が及ぼされる。

 一方、一般的にジュースを飲む人に比べて新鮮な果物を食べる人は、より健康的で活動的な生活習慣を守っている。その上で、糖分の多い果物のジュースは肥満をもたらす要因の一つではあるかもしれないが、唯一の原因ではない。また、今回の研究では対象者の果汁100%ジュースの平均摂取量が1日当たり1杯以下だったことも研究結果の解釈を困難にさせているとしている。

 ただし、母親は子どもに飲ませるジュースの量を制限し、代わりに果物を食べさせるべきと考える。小児期に身に付けたジュースを飲む習慣は大人になっても変わらないことが多いため、特に小児期はジュースの摂取量を制限することを勧める。

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