こんにちは。
小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。
糖尿病患者の血糖値は大きく変動することは知られている。健康な人でも食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」がみられることが新たな研究で分かった。健康な成人を対象に持続血糖測定器(CGM)で評価した血糖変動の大きさは空腹時血糖値やHbA1c値と関連しており、2型糖尿病リスクの指標になり得ることが分かったという。また、研究では、ある特定の食品がこうした血糖値の上昇を引き起こすことも明らかになった。詳細は「PLOS Biology」7月24日オンライン版に掲載された。
2型糖尿病の治療において、最近では血糖値の変動が重視されており、中でも食後血糖値の急激な上昇は心筋梗塞や脳卒中の引き金となるほか、健康な人でも糖尿病リスクを高める可能性が指摘されている。しかし、健康な人の血糖変動の評価については、専門家の間でも意見が分かれている。
米スタンフォード大学医学部の研究グループは今回、糖尿病の診断歴がない健康な成人57人(年齢中央値は51歳、男性25人)を対象に、CGMを2~4週間装着してもらい、血糖変動のパターンを評価した。次に、対象者を血糖変動の大きさで3つの群(変動が小さい群、中程度の群、大きい群)に分けて、臨床的特徴を比較検討した。
その結果、CGMで評価した血糖変動の大きさは、従来の血糖指標(空腹時血糖値や食後2時間血糖値、HbA1c値など)やBMI、年齢と関連していることが分かった。中でも血糖値が正常な人や糖尿病の前段階にある人では、血糖変動が大きいパターンは糖尿病への進展リスクが高いことを示している可能性が示された。
また、研究グループは25~65歳の30人(男性10人)を対象に、CGMを装着した上で3種類の決められた朝食を取ってもらい、血糖変動への影響を調べる研究も行った。朝食には、コーンフレークと牛乳(低食物繊維で糖分が多い)またはピーナッツバター・サンドイッチ(脂肪とたんぱく質が多い)、プロテインバー(適度な脂肪とたんぱく質)を提供した。検討の結果、血糖値が正常だった16人で食後の血糖値が糖尿病の前段階(140mg/dL超)や糖尿病(200mg/dL超)と診断されるレベルに達したケースもみられたという。さらに、5人中4人では、コーンフレークと牛乳を摂取後に血糖値が糖尿病の前段階レベルにまで急上昇していたことが分かった。
自分には糖尿病がないからといって血糖値は大丈夫だと安心はできない。健康な人は自分の血糖値が大きく上下していることに気付いていない人が多い。
食後血糖やブドウ糖負荷試験などで自分は大丈夫か確認してみるのも良いと思われます。
2019/09/15
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