2020/01/27

健康講座181~減量と糖尿病の寛解

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長の小川義隆です。


 健康を取り戻すために大幅に減量する必要はなく、5年間で体重の10%を減らすだけで、2型糖尿病が寛解し得るというお話。


 2型糖尿病のスクリーニングによる死亡リスク抑制効果を検証したADDITION-Cambridge研究の登録者のうち、新たに糖尿病と診断された867人(40~69歳)を対象に前向きコホート研究を実施。体重の変化と糖尿病の寛解の関係を調べた。糖尿病の寛解は、糖尿病用薬または減量手術によらずHbA1c6.5%未満を達成した者と定義した。対象者の平均年齢は61歳、男性が61%だった。

 
 追跡期間5年で257人(30%)に糖尿病の寛解がみられた。糖尿病の診断から1年後に体重が変化していなかった人の糖尿病寛解率を基準として、ベースラインの体重、年齢、性別、経済状態などで調整し、減量達成レベル別に寛解率を比較すると、10%以上の減量を達成していた人は寛解に至る頻度が77%有意に高いことがわかった。また、診断から1~5年かけて10%以上減量した人や、5~10%減量した人の寛解率も有意に高かった。

 
 多少の減量でも寛解につながり得る。極端なダイエットは必要ではない。


 寛解導入に関するこれまでのエビデンスは、極端な運動や規制の多い食事療法の必要性を示唆しているが、多くの患者にとってそのような方法は現実的でない。今回の研究では実臨床で継続可能な中等度の減量の長期的な効果を調べた。参加者はそれぞれ異なる方法で減量を達成し糖尿病を寛解させることができた。

 これは糖尿病患者にとって励みになる知見だ。減量の程度によらず、身体のインスリン感受性は高まり、糖尿病管理に好影響をもたらすでしょう。




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