2021/10/22

健康講座358 超加工食品と青少年

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科CLでございます。

 米国の青少年では、1日の摂取カロリーの約3分の2は超加工食品に由来することが新たな研究によって明らかになったようです。この研究では、超加工食品の摂取量が多いほど、心臓の健康状態の重要な指標が悪化することも示されました。

 超加工食品という言葉は、10年ほど前から栄養学の専門家の間で使用されるようになったようです。今回の報告での超加工食品は、NOVA分類システムのグループ4に相当する。その定義は、「主成分が食品から抽出された成分や食品由来の成分で作られ、加工されていない状態の食品そのものをほとんど含まないスナック類や飲料、調理済みの食品をはじめとするさまざまな食品」とされているようです。具体例を挙げると、ポテトチップスやクッキー、キャンディー、ソフトドリンク、温めるだけで食べられるピザやインスタントスープ、ホットドッグ、チキンナゲットなどであるようです。ただし専門家らは、全ての加工食品が不健康であると主張しているわけではなく、一部の加工食品には栄養学的な価値があるとの見解を示しているようです。

 米疾病対策センター(CDC)は、「超加工食品の多くは、糖分や塩分、トランス脂肪酸や飽和脂肪酸を多く含み、カロリー密度(食品1g当たりのカロリー)が高く、食物繊維や微量栄養素は少ない」と説明しております。塩分が多い食事は高血圧に関連し、トランス脂肪酸や飽和脂肪酸の摂取は心疾患リスクの上昇に関連するのです。

 米国の成人では1日に摂取するカロリーの半分以上を超加工食品由来のカロリーが占めており、超加工食品の摂取量の多さが心血管の健康状態に関連していたとする研究結果が報告されております。

 今回の研究では、全米で実施された大規模調査に参加した12~19歳の男女4,532人を対象に、食事内容と心血管の健康状態について検討しました。心血管の健康状態は、AHAが提唱する“Life's Simple 7”の7つの項目(体重、血圧、血糖、脂質、喫煙、身体活動、食事)に基づき評価したようです。

 その結果、青少年の超加工食品の摂取量は成人よりも多く、1日当たりの摂取カロリーのうち超加工食品由来のカロリーが占める割合は、成人の約55%に対して青少年では約66%であったのです。また、超加工食品の摂取は、青少年の心血管の健康状態悪化に関連しており、1日当たりの超加工食品からの摂取カロリー量が5%増加するごとに心血管の健康状態のスコア(0~12点で評価)が0.13点低下しました。このことは、「青少年期に超加工食品の摂取量が多いと、長期的には心血管疾患を発症するリスクが高まる可能性を示している」と言うことでございます。

 参考にしてください。

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