2021/10/28

検討講座364 加糖飲料とコレステロール

皆さんどうもこんにちは。


小川糖尿病内科クリニックでございます。


 加糖飲料を習慣的に摂取すると、コレステロールやトリグリセリド(中性脂肪)の値に大きな影響を与え、脂質異常症の発症につながる可能性があることが、米タフツ大学ジーン・メイヤー米国農務省(USDA)加齢ヒト栄養研究センターの研究で示されました。1日1缶(約360mL)以上の加糖飲料を毎日飲むと、心疾患や脳卒中のリスクが高まる可能性があるのです。

 フラミンガム心臓研究のデータを用いて、これらの研究に参加した6,730人を対象に1991年から2014年まで追跡。加糖飲料がコレステロール値に与える影響について調べました。参加者の平均追跡期間は12.5年であった。

 その結果、1日1缶を超える加糖飲料を摂取している人は、月に1缶未満の人と比べて、善玉コレステロールとして知られるHDL-コレステロール値の4年間の平均変化は有意に低く、トリグリセライドの平均変化は有意に高いことが分かったのでございます。

 解析では、加糖飲料を1日1缶以上摂取している人は、摂取量が少ない人と比べて、トリグリセリドが高値となるリスクは53%高く、HDL-コレステロールが低値となるリスクは98%高かったのです。

 一方、低カロリーの甘味料入り飲料や果汁100%のジュースを長期にわたり摂取しても、コレステロール値の悪化や脂質異常症の発症とは関連しないことも示されました。

 他のブログで述べました通り、加糖飲料は健康に有害であることを裏付けるエビデンスが集積してきており、その影響は明らかでございます。

 加工食品に添加された糖類を、主に炭酸飲料やスポーツドリンク、果実風味のジュースなどの加糖飲料から摂取している可能性があります。この結果は、決して加糖飲料の代わりにダイエット飲料や果汁ジュースを飲むことを勧めるものではありません。なぜならば、これらの飲料についても健康への影響は明らかになっておらず、今後さらなる研究が必要だからです。

 加糖飲料を飲む習慣をつけないためにも、幼少期の子どもには加糖飲料を与えないようにし、10代の子どもや大人の場合には、加糖飲料の代わりにプレーンな炭酸水に少量の果汁を加えたり、水やお茶、コーヒーには砂糖を加えずに飲む工夫をお勧め致します。

原著

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