2021/11/12

健康講座379 植物性たんぱく質の知見

みなさんどうもこんにちは。

小川DMCLでございます。

 認知症や心臓病、がんから身を守るために、肉汁たっぷりのステーキからではなく、植物性食品からタンパク質を取るももひとつかもです。新たな研究から、植物性タンパク質の摂取量が多い高齢女性は、認知症関連死のリスクが21%、心血管死のリスクが12%低いことが示されたのでございます。さらに全死亡(あらゆる原因による死亡)のリスクも9%低いことが分かったようです。

 この研究に、閉経後女性の健康状態を長期間追跡調査している「Women's Health Initiative(女性の健康イニシアチブ)」のデータを用いたとのことです。1993~1998年に登録された10万2,521人を2017年2月まで追跡。参加登録時に行った食事調査から、植物性タンパク質の摂取量で五分位に分け、死亡リスクとの関連を検討したものです。

 その結果、第5五分位群(植物性タンパク質の摂取量の多い上位5分の1)は第1五分位群(下位5分の1)に比べ、全死亡、心血管死、認知症関連死のリスクが有意に低いことが分かったのです。

 一方、動物性タンパク質について見ると、加工赤肉や卵の摂取量が多いことは、全死亡のリスクが高いことと関連していました。また、未加工の赤肉、卵、乳製品の摂取量の多さは、心血管疾患死のリスクが高いことと関連していたようです。

 認知症関連死については、加工赤肉摂取量の多さがリスク上昇と関連していたのに対して、家禽や卵の摂取量の多さは、リスク低下と関連していました。

 動物性タンパク質の摂取量が多い人の認知症関連死のリスクが高い理由は明らかではないが、そのような人は肥満で血圧や血糖値が高い傾向にあることもありえます。そして、高血圧や糖尿病は、認知症発症のリスク因子であります。

 この研究は女性に焦点を当てているが、他の研究からは、植物性食品ベースの食事のメリットが男性でも認められるものもあります。ただし、当然ながらフライドポテトを食べながら加糖飲料を飲むような食事スタイルは、体に良い植物性食品ベースの食事とは言えません。加えて、植物性食品を使ってはいるが、油脂などで手が加えられた超加工食品の摂取も、なるべく控えるようことが肝要です。

原著

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