2021/12/03

健康講座400 不眠症と脳動脈瘤

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 死に至る危険性もある脳の疾患に、、不眠症になりやすい遺伝的素因を持つ人は、脳動脈瘤(頭蓋内動脈瘤)のリスクが高いことが研究で示されました。


 動脈瘤は動脈壁が部分的に膨らんで瘤状になったもので、破裂すると出血により死に至る危険性があるものです。世界の成人人口における脳動脈瘤の有病率を約3%と推定されてます。脳動脈瘤のうち破裂に至るのは全体の2.5%程度と少ないが、、脳動脈瘤が破裂して出血が生じると、約25%の人が24時間以内に死亡するというものでございます。

 脳動脈瘤が形成される原因については、明確になっていないですが、家族歴や喫煙、高血圧が主要なリスク因子であることは判明しているます。

 今回、ヨーロッパの成人を対象にした、複数の大規模なゲノムワイド関連解析の研究データを用いて、ライフスタイルに関わるリスク因子(喫煙、睡眠など)、および心血管代謝のリスク因子(BMIや2型糖尿病など)と、脳動脈瘤および脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血のリスクとの関連を調べたようです。対象は、脳動脈瘤の既往がある6,252人、動脈瘤の破裂によるくも膜下出血の既往がある4,196人と、それらの既往がない5万9,544人としました。

 その結果、喫煙、不眠症、高血圧のリスクを上昇させる遺伝的素因を持つ人では、これらの遺伝的素因を持たない人と比べて脳動脈瘤のリスクが、喫煙で約3倍(オッズ比3.20)、不眠症で24%(同1.24)高いことが判明したのです。また、高血圧では、拡張期血圧が10mmHg上がるごとに、脳動脈瘤のリスクはほぼ3倍(同2.92)高くなっていたのです。一方、遺伝的に予測される肥満や中性脂肪高値、LDLコレステロール低値、身体活動量の少なさは、脳動脈瘤のリスクの上昇との間に弱い関連が認められたに過ぎませんでした。

 これは、喫煙、高血圧、不眠症が脳動脈瘤の重要なリスク因子であることを明らかにした研究結果であります。その一方で、慢性的な睡眠不足が脳動脈瘤の形成を促す明確な理由は不明ではあります。

 不眠症と脳動脈瘤の関連の背後にある機序は興味深いものがあります。

原著

0 件のコメント:

コメントを投稿

ロゴ決定

ロゴ決定 小川糖尿病内科クリニック

皆さま、こんにちは。 当院のロゴが決定いたしました。 可愛らしいうさぎをモチーフとして、小さなお花をあしらいました。 また、周りは院長の名字である「小川」の「O(オー)」で囲っております。 同時に、世界糖尿病デーのシンボルであるブルーサークルを 意識したロゴとなって...