2021/12/16

健康講座413 仕事中の立位、座位と慢性腎臓病

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 日本人労働者において、仕事中の姿勢が「立位や歩行中心」の人は「座位中心」の人と比べて慢性腎臓病(CKD)発症リスクが低いことが分かったようです。その一方で、余暇時間の運動や通勤のための歩行時間はCKDリスクと関連がなかったとのことです。国立国際医療研究センター臨床研究センター疫学・予防研究部の研究結果であります。


 身体活動量を、余暇時間、仕事中、通勤という3つの区分で評価し、これらとCKDの発症リスクとの関連を検討したようです。

 健康診断を受診した20~65歳の労働者のうち、ベースライン時点でCKDに該当する人や解析に必要なデータが欠落している人を除いた1万7,331人(平均年齢42.8±10.0歳、男性90%)について分析したものです。

 身体活動量は、健診用に開発された質問票を用いて評価した。余暇の運動は週当たりの身体活動量(METs-時/週)により4段階に分類し、仕事中の身体活動は「座位中心」「立位や歩行が中心」「より活発」に分類しました。通勤については往復の歩行時間が「20分未満」「20分以上40分未満」「40分以上」に分類されまいた。CKDは、血清クレアチニン値をもとに推算した糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2未満、あるいは尿タンパクが(1+)以上の場合と定義しました。

 追跡期間中、4,013人(23%)がCKDを発症しました。ぞれぞれの身体活動量におけるCKDの発症リスクを推定し、仕事中の身体活動が「座位中心」の人と比較すると、「立位や歩行中心」の人のCKD発症ハザード比(HR)は0.88、「より活発」な人はHR0.89であったようです。

 本研究の結果から、座り仕事よりも、立ち仕事や歩き仕事に従事している人の方が腎臓病のリスクが低い可能性があることが分かりました。スタンディングデスクの導入などによる仕事中の座位時間の短縮が腎機能低下の予防につながることが期待されるかもしれません。
 参考にしてもろうて。

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