2022/01/20

健康講座439 新型コロナウイルス抗原検査の擬陽性

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 抗原検査が一般市民でもできるようになってきそうな現在、心配なのは偽陽性の発生割合ではないでしょうか。今回、カナダ・トロント大学が調査した結果、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)に対しカナダ国内で使用されているすべての迅速抗原検査では、全体的に“偽陽性”の割合が非常に低く、その結果はほかの研究結果とも一致していたと示唆されました。ただし、検査のタイミング(感染段階で早すぎる/遅すぎる)や検査キットの品質問題が原因で正しくない結果が報告される可能性もあることから、1つの集団から偽陽性がクラスターとして発生するには、実装ではなく製造上の問題もあるのではとも思われます。


 本研究では、カナダ全土における無症候性の労働者を対象に、新型コロナの連続的スクリーニングに使用される迅速抗原検査の大規模サンプルから偽陽性結果の発生率を調査しました。

 無症候性の従業員は週2回にわたり検査を実施。その際の出社は任意で、一部の従業員は自宅やオンライン上で検査を行ったようです。なお、カナダはこの期間のうち、3~6月と8~10月に2つのデルタ変異株の感染拡大に見舞われていました。

 検査結果には、匿名化されたレコード識別子、雇用場所、検査、およびロット番号が記録された。検査結果が陽性の場合、患者は24時間以内にPCR検査を完了させる必要があったためにすぐさま医療機関を紹介されたようです。

 主な結果は以下のとおりでございます。

・537施設の職場で90万3,408件の迅速抗原検査が実施され、陽性は1,322件(0.15%)だった。そのうち1,103件はPCR検査の情報を有していた。また、約3分の2の症例はロット番号で追跡可能だった。
・偽陽性の結果数は462件だった(抗原検査のうちの0.05%、PCR検査を含む陽性結果の42%)。そのうちの278件(60%)は、2021年9月25日~10月8日に特定の企業(675km離れた2つの職場のみ)の従業員で報告された。
・これら2つの職場の偽陽性の結果は、すべて特定の抗原検査キットによるものだった。

 研究の限界として、職場の便宜的サンプルが含まれ、PCR確認結果の報告とロット番号の特定は必須ではなかったようです。さらに、これらの結果はカナダの疫学を反映しているため、新型コロナの発生率において異なる経験をしている日本には一般化できない可能性があります。

原著

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