2022/04/15

健康講座479 サルコペニア・フレイル

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。


日本サルコペニア・フレイル学会は、サルコペニアを予防するためには体重あたり1g/日以上のタンパク質摂取を推奨しています。つまり、体重が60kgの方の場合、60g/日以上の摂取が必要になります。効率的に筋肉を合成するためには1日のタンパク質のとり方も重要でございます。

1日合計タンパク質摂取量とエネルギー摂取量に差はなくても、均等摂取群のほうが偏り摂取群よりも骨格筋の合成率が高いことが示されています。骨格筋は絶えず分解と合成を繰り返しており、とくに絶食時には分解が進みます。朝食は夕食後、就寝による長い絶食時間を経て初めてとる食事です。そして、1日の活動が始まる前にとる食事でもあります。朝食のタンパク質摂取量が不十分になると、骨格筋タンパク質の分解が進みやすくなると考えられます。高齢者を対象とした疫学研究において、フレイル高齢者では健常高齢者と比べて、朝食のタンパク質摂取量が少ないことも報告されています。


また骨格筋の合成に重要な役割を果たすアミノ酸としてロイシンがよく知られています。海外のデータでは1食あたりロイシン2.5gの摂取が必要と考えられていますが、日本の国民健康栄養調査をもとに、朝・昼・夕食のアミノ酸の摂取量を調査した報告では、30~64歳、65~74歳、75歳以上のどの年齢層でも男女ともに1食あたりのロイシン2.5gを下回る人の割合は朝食で最も多く、ロイシンの基準を下回った人はいずれの年代でも90%前後と報告されています5)


普段の朝食に乳製品の追加がすすめれています。乳製品は調理の必要がないため手軽に取り入れることができるだけでなく、ロイシンの含有量が比較的多く、また乳製品由来のタンパク質は吸収率が高いことも分かってきています。高齢者では冷たい牛乳を避ける方もいますが、牛乳の代わりにヨーグルトやチーズをとったり、市販のスープにスキムミルクを混ぜたりするなどして、朝食に乳製品を追加して取り入れると良いでしょう。


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