2022/04/27

健康講座484 フルクトース、加工ソフトドリンク

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 甘味飲料の中には腎臓を障害するリスクを持つものがあることが報告されました。果糖(フルクトース)コーンシロップで甘く加工したソフトドリンクを摂取すると、腎臓内部の血管抵抗が有意に上昇するということでございます。


 高果糖コーンシロップ(high-fructose corn syrup;HFCS)は、「果糖ブドウ糖液糖」などと表示される食品添加物で、ソフトドリンクを甘く加工する際などに用いられている。このHFCSが添加されたソフトドリンクの腎臓に及ぼす影響を調べるため二つの研究を行いました。

 まず一つ目の研究は、13人の健康な成人に、500mLのHFCS添加ソフトドリンク、または同量の水を摂取してもらい、超音波ドプラ法で腎臓の血管の血流や血管抵抗の変化を検討しました。

 その結果、HFCS添加ソフトドリンクを摂取した30分後には腎臓の平均動脈圧が有意に上昇し、分節動脈の血管抵抗の有意な上昇も認められました。一方、水を摂取した場合には、摂取前後で腎臓の平均動脈圧に有意な変化は認められなかったのです。

 交感神経を刺激する寒冷昇圧試験でも、水摂取時に比較してHFCS添加ソフトドリンク摂取時は、分節動脈の血管抵抗がより高まることが明らかになりました。これらの結果から、HFCSは腎臓の血管を収縮させる作用を持つ可能性が考えられました。

 続いて行った二つ目の研究は、12人の健康な成人を対象とした。HFCS添加ソフトドリンクと、HFCS以外(人工甘味料またはスクロース)を添加して甘くしたソフトドリンク、および水をそれぞれ摂取してもらい、腎臓の血流や血管抵抗の変化を検討しました。

 その結果、HFCS添加ソフトドリンク摂取後の腎動脈の血流速度は、スクロース添加飲料や水の摂取後に比較して有意に低下し、腎動脈の血管抵抗は、水摂取後に比較して有意に上昇した。また、HFCS添加ソフトドリンク摂取後の分節動脈の血流速度は、人工甘味料添加飲料の摂取後に比較して有意に低下し、分節動脈の血管抵抗は、人工甘味料添加飲料や水の摂取後と比較して有意に上昇した。

 要するにですよ、HFCSで甘く味付けした飲み物を飲むと、安静時および交感神経が活性化した状態において、腎臓の血管が収縮して抵抗が上昇することを示しているのです。
原著

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