2022/08/22

健康講座535 2022-2023年 インフルエンザ

 みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。


 現在、わが国は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第7波の真っただ中でありますが、インフルエンザについては、国内でCOVID-19の流行が始まった2020年2月以降、患者報告数は急速に減少していました。しかしながら、2021年後半から2022年前半にかけて、北半球の多くの国ではインフルエンザの小ないし中規模の流行がみられていました。

1)2022-2023年シーズンは、インフルエンザの流行の可能性が大きい
 北半球冬季のインフルエンザ流行の予測をするうえで、南半球の状況は参考になるが2022年は4月後半から報告数が増加し、例年を超えるレベルの患者数となっており、医療の逼迫が問題となっている。今後、海外からの入国が緩和され人的交流が増加すれば、国内へウイルスも持ち込まれると考えられ、日本においても、今秋から冬には、同様の流行が起こる可能性がある。

 一方、過去2年間、国内での流行がなかったために、社会全体のインフルエンザに対する集団免疫が低下していると考えられる。そのため、一旦感染が起ると、とくに小児を中心に大きな流行となる恐れがある。

2)A(H3N2)香港型に注意
 オーストラリアで本年度に検出されたインフルエンザウイルスのうち、サブタイプが判明したものでは、約80%はA(H3N2)、約20%がA(H1N1)だった。そのため、今シーズンは、わが国でもA(H3N2)香港型の流行が主体となる可能性がある。

 そのため今季のA(H3N2)のワクチン株は、オーストラリアのDarwinで分離された、A/Darwin/9/2021 (H3N2)-like virus, clade 3C.2a1b.2a.2(2a.2)が採用された。

3)今季もインフルエンザワクチン接種を推奨
 今季に流行が予想されるA(H3N2)香港型に対するワクチンの発病防止効果は未知だが、発症してもワクチンによる一定の重症化防止効果は期待でき、欧州では65歳以上の高齢者においてA(H3N2)感染による入院防止率は37%であったと報告されている。

4)例年通りのインフルエンザ診療が必要
 今季、発熱患者では、ワクチン接種歴に関わらずCOVID-19とインフルエンザの鑑別が重要となり、また、両者の合併例も考えられる。したがって、外来診療では両方のウイルスを念頭にいれて、PCR、抗原検査、迅速診断などによる確定診断が必要となる。

 インフルエンザと診断されたときは、抗ウイルス薬による治療を検討することとなります。抗ウイルス薬は、インフルエンザの重症化、死亡率を抑制します。重症化のリスクのある人は当然治療の対象ですが、リスクを持たない人でも重症化することがあり、その予測は困難であります。
参考までに。

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