2022/10/07

健康講座549 新型コロナ家庭用迅速抗原検査

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 家庭用迅速抗原検査は、感染初期にはウイルス培養検査と相関するが、陽性から5、6日目以降のデータは少ないです。そこで、新型コロナ陽性もしくは症状発現から6日目以降の抗原検査陽性率、症状、ウイルス培養陽性率について検証したところ、症状が残存している人でも自己抗原検査で陰性であれば隔離解除できるかもしれないことが示唆されました。


 2022年1月5日~2月11日のボストンでのオミクロン株BA.1流行期で、新型コロナ陽性と診断または症状発現の40例が登録された。被験者は平均年齢34(SD 9.5)歳、女性23例(57.5%)、男性17例(42.5%)であった。40例すべてがワクチンの初回シリーズを完了、うち36例がブースター接種1回を完了していた。入院を必要とした患者はいなかった。

 被験者には、新型コロナ陽性と診断または症状発現のいずれかを0日目としてカウントし、6日目以降に、毎日の症状記録(咳、発熱、喉の痛み、呼吸困難、胸部圧迫感、疲労、筋肉痛、味覚・嗅覚の喪失、悪心、嘔吐、下痢、鼻水、鼻づまり、頭痛、その他)と家庭用迅速抗原検査の自己テスト結果を報告してもらった。また、被験者のうち17例(42.5%)から、6日目に鼻咽頭スワブと口腔スワブを採取し、ウイルス培養検査を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・全40例のうち、6日目の抗原検査で陽性30例(75%)、陰性10例(25%)だった。14日目には全員が陰性だった。
・抗原検査が初めて陰性化した日数と年齢、最後のワクチン接種からの経過期間、診断時のサイクル閾値(Ct値)との間には相関はなかった。
・無症状者(7例)と有症状者(33例)において、抗原検査の平均初回陰性日は、8.1(SD 3.0)日目vs.9.3(SD 2.4)日目(p=0.14)であった。
・感染から6~14日目では、その日に無症状だった人のうち、抗原検査が陰性よりも陽性になる人のほうが多かった。
・6日目にウイルス培養検査を受けた17例中12例が抗原検査陽性で、12例中6例は培養検査陽性だった。症状ありの人も含め、抗原検査陰性で培養検査陽性だった人はいなかった。
・培養検査陽性6例のうち、6日目で2例は症状改善、2例は症状に変化なしと報告、2例は0日目から症状の報告がなかった。
・培養検査を受けた被験者17例において、6日目に症状なしと報告した8例のうち、培養検査では陰性6例、陽性2例、抗原検査では陰性3例、陽性5例だった。

 本結果より、症状が残存している人の自己抗原検査で陰性であれば隔離解除できることを示唆するものかもしれません。また、症状の改善のみに基づいて隔離を終了することは、ウイルス培養陽性の潜在的な感染者を早期に解放する危険性があり、陽性から10日目までの適切なマスク着用と、感染拡大のリスクが高い場所を回避することが重要であることに変わりはないでしょう。

原著

0 件のコメント:

コメントを投稿

ロゴ決定

ロゴ決定 小川糖尿病内科クリニック

皆さま、こんにちは。 当院のロゴが決定いたしました。 可愛らしいうさぎをモチーフとして、小さなお花をあしらいました。 また、周りは院長の名字である「小川」の「O(オー)」で囲っております。 同時に、世界糖尿病デーのシンボルであるブルーサークルを 意識したロゴとなって...