2023/05/09

健康講座629 HITT(High-Intensity Interval Training)とは

 みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。

HITT(High-Intensity Interval Training)とは、高強度の運動と休憩を交互に繰り返すトレーニング方法です。通常、短い時間で最大の効果を発揮するために、運動と休憩の周期は30秒から2分程度と短く設定されます。HITTは、有酸素運動や筋力トレーニングの双方の効果を同時に得ることができます。

HITTは、1970年代にアメリカのランニングコーチであるジョン・リトルとカリフォルニア大学アーバイン校の教授であるイズムス・ワークハウトが考案し、有酸素運動のトレーニング方法として普及しました。最近では、エクササイズのトレンドとして、様々なスポーツやフィットネスの分野で取り入れられています。

HITTには様々なバリエーションがありますが、代表的な方法として、自転車エルゴメーターやランニングマシン、トレッドミル、ステップ、ジャンプロープなどを使用する方法があります。また、筋力トレーニングにはダンベル、ケトルベル、バーベル、体重トレーニングなどがあります。

HITTのメカニズム

HITTの効果は、様々な生理的反応によってもたらされます。HITTは、筋肉の繊維を刺激し、エネルギーを使い果たすため、脂肪を燃焼する効果が期待できます。また、HITTによる筋肉の負荷は、筋肉の成長を促進するため、筋力増強にも効果的です。

HITTの高強度の運動は、酸素消費量が高くなるため、心臓や肺の機能を強化し、有酸素能力を改善することができます。また、短い周期で運動と休憩を繰り返すことにより、体内の代謝速度を上げ、カロリー消費を促進することができます。

HITTの方法

HITTの基本的な方法は、高強度の運動と低強度の休憩を交互に繰り返すことです。例えば、自転車エルゴメーターで行う場合、最初にウォームアップとして5分程度低強度の運動を行い、次に1分間高強度の運動を行います。その後、1分間低強度の運動を行い、これを数回繰り返します。最後に、5分程度のクールダウンを行い、トレーニングを終了します。

HITTにおいては、高強度の運動と低強度の休憩の時間や回数は様々な組み合わせが可能です。研究によれば、最も効果的な周期は30秒から2分程度で、1回の高強度運動時間は20秒から60秒程度が適しているとされています。

また、HITTは、有酸素運動と筋力トレーニングを同時に行うことができるため、トレーニングメニューに含めることができます。例えば、ダンベルを使ってスクワット、ランジ、プッシュアップ、バーベルを使ったデッドリフト、プルアップ、チンアップなどの筋力トレーニングを行い、それにジャンプ、ランニング、ハイキック、バーピーなどの有酸素運動を組み合わせることができます。

HITTの効果

HITTの効果は、短時間での効率的なトレーニングが可能であることが最大の特徴です。例えば、通常の有酸素運動では、最低でも30分から60分程度の運動が必要とされていますが、HITTは短い時間で同等の効果を得ることができます。

HITTは、有酸素能力、筋力、代謝機能など、様々な健康指標を改善することができます。研究によれば、HITTは、従来の有酸素運動よりも脂肪燃焼効果が高く、体脂肪率を減少させることができます。また、HITTは、筋力増強効果もあるため、筋肉を引き締め、代謝を促進することができます。

さらに、HITTは、心臓や肺の機能を強化し、有酸素能力を改善することができます。これにより、心臓病や糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクを減らすことができます。また、HITTは、血糖値を下げる効果もあるため、糖尿病の予防にも効果的です。

さらに、HITTは、ストレス解消効果もあるとされています。運動によって、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑制され、幸福ホルモンであるセロトニンの分泌が促進されることが知られています。そのため、HITTは、ストレスを軽減し、心身の健康を促進する効果も期待できます。

HITTは、様々な年齢層やレベルの人に適したトレーニング方法です。特に、時間が限られている人や、トレーニング効果を最大限に発揮したい人におすすめです。また、HITTは、有酸素運動と筋力トレーニングを同時に行うことができるため、多くの健康指標を改善することができます。

ただし、HITTは、高強度の運動を繰り返すため、心臓や関節などに問題がある場合は、医師に相談する必要があります。また、初めて取り組む場合は、専門のトレーナーやフィットネスインストラクターからアドバイスを受けることが大切です。

まとめ

HITTは、高強度の運動と休憩を交互に繰り返すトレーニング方法で、有酸素運動と筋力トレーニングの効果を同時に得ることができます。短い時間で最大の効果を発揮するため、30秒から2分程度の周期で運動と休憩を繰り返します。

HITTは、有酸素能力、筋力、代謝機能など、多くの健康指標を改善することができます。研究によれば、HITTは、従来の有酸素運動よりも脂肪燃焼効果が高く、体脂肪率を減少させることができます。また、HITTは、筋力増強効果もあるため、筋肉を引き締め、代謝を促進することができます。

、HITTに関する参考文献の例です。

  1. Gibala, M. J. (2009). Molecular responses to high-intensity interval exercise. Applied physiology, nutrition, and metabolism, 34(3), 428-432.

  2. Weston, K. S., Wisløff, U., & Coombes, J. S. (2014). High-intensity interval training in patients with lifestyle-induced cardiometabolic disease: a systematic review and meta-analysis. British journal of sports medicine, 48(16), 1227-1234.

  3. Ramos, J. S., Dalleck, L. C., Tjonna, A. E., Beetham, K. S., & Coombes, J. S. (2015). The impact of high-intensity interval training versus moderate-intensity continuous training on vascular function: a systematic review and meta-analysis. Sports medicine, 45(5), 679-692.

  4. Trapp, E. G., Chisholm, D. J., Freund, J., & Boutcher, S. H. (2008). The effects of high-intensity intermittent exercise training on fat loss and fasting insulin levels of young women. International journal of obesity, 32(4), 684-691.

  5. Kessler, H. S., Sisson, S. B., & Short, K. R. (2012). The potential for high-intensity interval training to reduce cardiometabolic disease risk. Sports medicine, 42(6), 489-509.

  6. Macpherson, R. E. K., Hazell, T. J., Olver, T. D., Paterson, D. H., Lemon, P. W. R., & Runnels, S. (2011). Run sprint interval training improves aerobic performance but not maximal cardiac output. Medicine and science in sports and exercise, 43(1), 115-122.

これらの論文や、その他の文献を参考にすることで、HITTに関する理解を深めることができます。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ロゴ決定

ロゴ決定 小川糖尿病内科クリニック

皆さま、こんにちは。 当院のロゴが決定いたしました。 可愛らしいうさぎをモチーフとして、小さなお花をあしらいました。 また、周りは院長の名字である「小川」の「O(オー)」で囲っております。 同時に、世界糖尿病デーのシンボルであるブルーサークルを 意識したロゴとなって...