2023/05/28

健康講座669 "心から腸へ:ストレスが炎症性腸疾患に与える影響とその対策"

 皆さん、こんにちは。ここは小川糖尿病内科クリニックです。さて、今日はあるトピックについて語りたいと思います。

それは「精神的健康と体の炎症反応」についてです。これは、私たちの心の状態がどのように体の健康に影響を与えるかについての話です。特に、心理的ストレスが病気の悪化と関連している炎症性腸疾患(IBD)という病気について話します。

まず、私たちの体内には腸神経系(ENS)というシステムがあります。これは、腸の動きや働きをコントロールするための神経ネットワークです。しかし、最近の研究で、このENSが心理的ストレスと腸の炎症との間に重要な役割を果たしていることが分かりました。

具体的には、慢性的なストレスがENSに影響を与え、腸の炎症を悪化させることが分かりました。ストレスが高まると、体内のグルココルチコイドというホルモンのレベルが上昇します。このホルモンがENSに作用し、炎症を引き起こす腸グリアという細胞を活性化させるのです。

さらに、このグルココルチコイドは、腸神経細胞の成熟を妨げ、アセチルコリンという神経伝達物質の欠乏を引き起こします。これにより、腸の動きが乱れ、蠕動異常という状態になります。

このような現象は、IBD患者の3つのグループで確認されました。つまり、心理的な状態が腸の炎症と蠕動異常に直接影響を与えることが示されたのです。

これらの発見は、私たちの心の状態が体の健康にどのように影響を与えるかを理解するための重要な一歩です。また、ストレス管理がIBDの治療において重要な要素であることを示しています。

私たちは、このような知識を持つことで、自分の健康をよりよく管理し、病気の予防や治療に役立てることができます。心と体の健康は密接に関連しており、一方が他方に影響を与えることを理解することは、全体的な健康管理にとって非常に重要です。

皆さんがこの情報を有用で、興味深いと感じていただければ幸いです。健康に関する情報は、私たちの生活をより良くするための重要なツールです。私たちは、皆さんがこの情報を活用して、自分自身の健康を向上させることを願っています。

これからも、小川糖尿病内科クリニックは、皆さんの健康をサポートするために、最新の医学的知識と情報を提供し続けます。皆さんの健康と幸せを願っています。それでは、また次回お会いしましょう。

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