2023/06/16

健康講座699 2型糖尿病の遺伝的リスクも打破!運動習慣でリスクを減少させる可能性

 皆さん、こんにちは。小川糖尿病内科クリニックです。2型糖尿病の遺伝的リスクを抱える方も、運動を習慣化することでリスクを軽減できることが明らかになりました。そして、運動を始めるのが遅すぎるということはありません。

新たな研究によれば、2型糖尿病の遺伝的リスクを持つ人でも、ウォーキングなどの運動を習慣化することで、そのリスクを打ち消し、糖尿病リスクを減少できることが示されています。この研究は、オーストラリアのシドニー大学が約6万人を対象に行ったもので、「British Journal of Sports Medicine」に掲載されています。

この研究では、糖尿病の遺伝的リスクが高いものの、身体活動量がもっとも多いグループに属する人は、遺伝的リスクが低いものの運動不足のグループに属する人より、2型糖尿病を発症するリスクが低いことが明らかになりました。これは遺伝的リスクを打ち消し、リスクを減少させる力が、運動によって与えられることを示しています。

また、遺伝的リスクの高い人でも、中強度から高強度の活発な運動や身体活動を1時間以上行っている人は、2型糖尿病の発症リスクが最大で74%低下することが示されました。これは、体を活発に動かす生活スタイルを通じて、2型糖尿病の過剰なリスクの多くを撃退できるということを示しています。

一方で、これまで運動と糖尿病リスクについて調べた調査の多くは、参加者の自己申告のデータに基づいており、遺伝的リスクとの関連を知るためには不十分でした。しかし、今回の研究では、遺伝的リスクや糖尿病の家族歴がある人 の運動習慣と2型糖尿病との関連性について詳細に調査しました。そして、運動がどれほどの頻度や強度で行われているか、また運動の種類がどの程度影響を及ぼすかなど、より具体的な情報を提供することが可能となりました。

したがって、この研究は2型糖尿病の予防において運動が果たす役割を強調し、特に遺伝的に高リスクな人々にとって、運動がどれほど重要であるかを示しています。

また、運動を始めるのに「遅すぎる」ということはありません。これまで運動をあまりしなかった人でも、生活スタイルを変えて適度な運動を始めることで、2型糖尿病のリスクを大幅に減らすことができると研究は示しています。

この研究結果は、日々の生活スタイルの改善や習慣の変更が、遺伝的なリスクにも関わらず、自分の健康を大きく改善することができることを示しています。遺伝的なリスクを持つ人々は、特に、体を動かすことにより、自身の健康を保つことができます。

最後に、小川糖尿病内科クリニックでは、皆さまの健康管理と糖尿病予防をサポートするため、適切な運動習慣や食生活の指導を行っています。皆さまの健康を維持し、予防医療に取り組む一助となることを心から願っております。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ロゴ決定

ロゴ決定 小川糖尿病内科クリニック

皆さま、こんにちは。 当院のロゴが決定いたしました。 可愛らしいうさぎをモチーフとして、小さなお花をあしらいました。 また、周りは院長の名字である「小川」の「O(オー)」で囲っております。 同時に、世界糖尿病デーのシンボルであるブルーサークルを 意識したロゴとなって...