このたび、2型糖尿病と初期の腎臓病(いわゆる「微量アルブミン尿」)を併せ持つ方に対して、新しいお薬「フィネレノン」がどれくらい効果があるかを調べた研究結果が発表されました。少しでも多くの方にこの内容をわかりやすくお伝えしたいと思い、ここにまとめてご紹介します。
【どんな人が対象?】
糖尿病が長く続くと、腎臓に負担がかかり、「尿にたんぱく(アルブミン)が出る」ことで初期の腎臓病が始まります。この段階は「微量アルブミン尿」と呼ばれ、まだ腎臓の働き自体は保たれていることが多いです。
今回の研究では、そういった「糖尿病と微量アルブミン尿がある患者さん」64人を対象に、北京大学第一病院で行われた実際の診療データ(2023年3月~2024年3月)をもとに検証されました。
【フィネレノンってどんな薬?】
「フィネレノン」は比較的新しいタイプの腎臓保護薬で、血圧や炎症、腎臓の線維化(固くなっていくこと)を抑える作用があります。すでに重めの腎臓病(尿たんぱくが多い方)に対しては有効性が証明されていましたが、「微量アルブミン尿」段階の人への効果は、これまで十分に分かっていませんでした。
【どんなことを調べたの?】
患者さんの尿中アルブミン(UACR)をはじめ、血糖(HbA1c)、腎機能、血圧、カリウム値などをフィネレノンを始める前、3か月後、6か月後で比べました。
【結果はどうだった?】
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尿中アルブミンが大きく減少しました!
治療前の中央値が100.5mg/gだったのに対し、3か月後には61.3mg/g、6か月後でも62.5mg/gと、大きく下がりました。これは腎臓へのダメージが軽減されたことを示しています。 -
他の項目(血糖・腎機能・カリウムなど)は大きな変化なし
副作用の面でも比較的安全と考えられます。 -
フィネレノンだけでも、他の薬(SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬)との併用でも、効果はほぼ同じ
他のお薬をすでに使っている方でも、フィネレノンを追加する意味は十分にありそうです。 -
治療の効果が高かった人にはある共通点が
特に、もともと血圧(上の血圧=収縮期血圧)が高めだった人ほど、フィネレノンによって尿たんぱくがしっかり減った傾向がありました。
【まとめ】
この研究から、フィネレノンは糖尿病と初期の腎臓病(微量アルブミン尿)を持つ人にも有効であることがわかりました。腎臓の悪化を早い段階で食い止めることができるかもしれません。特に血圧が高めの方には、より強い効果が期待できるという興味深い結果も得られました。
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