2026/04/13

健康講座1013 🌙【夜勤と2型糖尿病】 ~なぜ血糖が乱れるのか?現実を踏まえたシンプル対策~

 


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夜勤をしている方から、よくこういう相談を受けます。

「気をつけているのに血糖が安定しません」
「日勤のときより明らかに悪いです」

これは決して珍しいことではありません。
そして結論から言うと、

👉 夜勤は血糖コントロールにとって“不利な環境”です

ただし重要なのはここです。

👉 不利=コントロール不能ではない

現実を理解したうえで、「崩れ方を小さくする」ことが非常に重要になります。


■ 夜勤で実際に起きていること

イギリスのKing's College Londonの研究では、糖尿病を持つ医療従事者を対象に、

・連続血糖測定
・食事記録
・睡眠記録

を行い、夜勤・日勤・休日を比較しています。

その結果、次のような特徴が明らかになりました。


① 血糖の「ブレ」が大きくなる

夜勤では、血糖値が安定しにくくなります。

ここで重要な専門用語です。


▶ 血糖変動(グルコースバリアビリティ)

血糖値の上下の振れ幅のことです。
安定している状態が理想で、上下の変動が大きいほど体への負担が増えます。


▶ MAG(Mean Absolute Glucose Change)

血糖の変動の大きさを数値で表した指標です。
この研究では、夜勤の日にこの数値が上昇していました。


つまり

👉 夜勤では血糖が乱高下しやすい

ということです。


② 食事内容が崩れる

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夜勤では食事の特徴も大きく変わります。

・食事回数が増える
・カロリーが増える
・甘いものの割合が増える

特に問題なのは、

👉 糖質中心の食事になりやすい

という点です。

理由はシンプルです。

・夜中に選べる食事が限られている
・時間がない
・疲れている

つまり

👉 環境がそうさせている


③ 覚醒時間が長くなる

夜勤の日は、

・日勤:約17時間
・夜勤:約22時間

と、圧倒的に長時間起きている状態になります。


ここで重要な専門用語です。


▶ サーカディアンリズム(概日リズム)

人間の体内時計のことです。
約24時間周期で、ホルモン分泌や代謝をコントロールしています。


夜勤ではこれが崩れます。


■ なぜ血糖が上がりやすくなるのか

夜勤による血糖悪化には、いくつかの生理的な理由があります。


① インスリン抵抗性の増加

インスリンとは、血糖を下げるホルモンです。

夜間や睡眠不足では、

👉 インスリンが効きにくくなる

これを

▶ インスリン抵抗性

と呼びます。


結果として、

👉 同じ食事でも血糖が上がりやすくなります。


② 食欲ホルモンの変化

睡眠不足になると、

・グレリン(食欲を増やす)↑
・レプチン(満腹感)↓

となります。


つまり

👉 食べたくなる+満腹を感じにくい


③ ストレスホルモンの影響

夜勤ではストレスも増えます。

ここで出てくるのが

▶ コルチゾール

ストレス時に分泌されるホルモンです。


コルチゾールは

👉 血糖を上げる作用があります


■ ここが現実

ここまで読むと

「じゃあ夜勤はダメなのか?」

と思うかもしれませんが、

👉 それは現実的ではありません


医療・介護・インフラなど

👉 夜勤は社会に必要な仕事です


だからこそ重要なのは

👉 無理に完璧を目指さないこと


■ 現実的にできる対策

ここからが一番大事です。


■ ① 食事は「引き算」で考える


完璧な食事は不要です。

まずは

👉 悪いものを少し減らす


例えば

・菓子パン → 減らす
・甘い飲み物 → 減らす

これだけでも効果があります。


■ ② 食べる順番を意識する


おすすめは

① 野菜
② タンパク質
③ 炭水化物


これにより

👉 血糖の急上昇を抑えられます


■ ③ ダラダラ食べを避ける


夜勤では

・ちょこちょこ食べる
・常に何か口にしている

という状態になりがちです。


しかしこれは

👉 血糖が常に高い状態

を作ります。


👉 できる範囲で
「食べる時間を区切る」


■ ④ 深夜の食事は軽めに


特に注意する時間帯

👉 深夜2〜4時


この時間は

👉 最も血糖が上がりやすい


なので

・軽食
・糖質控えめ

が基本です。


■ ⑤ 仮眠をとる


短時間でも構いません。

👉 20〜30分の仮眠


これだけで

・ホルモンバランス
・集中力

が改善します。


■ ⑥ CGMの活用


▶ CGM(持続血糖測定)

皮下にセンサーを入れて、血糖を24時間測定する機器です。


これにより

・どの時間に上がるか
・何で上がるか

が分かります。


👉 夜勤との相性は非常に良い


■ よくある誤解


❌ 夜勤だから仕方ない

→ 半分正しい


✔ 正しくは

👉 不利だが、調整はできる



■ まとめ


👉 夜勤では

・血糖変動が増える
・食事が崩れる
・睡眠が不足する


➡️ 血糖コントロールが難しくなる


しかし


👉 完全に防げないわけではない


重要なのは


✔ 完璧を目指さない
✔ 少しずつ改善する
✔ 崩れ方を小さくする



■ 最後に

夜勤をしている方は、

👉 すでに負荷の高い環境で働いています


その中で

「完璧な管理」を求めるのは現実的ではありません。


だからこそ


👉 60点を安定して取る


これが最も現実的で、
結果的に長期予後を良くする考え方です。


焦らず、無理せず、
できることから調整していきましょう。

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