2026/07/11

健康講座1032 【医師が解説】赤貝は本当に健康に良いのか? ― 高タンパク・鉄・ビタミンB12の宝庫「赤貝」の医学的栄養学 ―

 




私たちが寿司屋でよく目にする赤貝(あかがい)
コリコリした食感と独特の旨味が魅力ですが、実はこの赤貝、栄養学的にも非常に優秀な食品であることが知られています。

特に医学的に注目されているのは次のポイントです。

  • 高タンパク・低脂質

  • 鉄分が非常に豊富

  • ビタミンB12が極めて多い

  • 亜鉛・タウリンなどの機能性成分

  • 低カロリー

この記事では、栄養学・医学研究の知見をもとに、赤貝の健康効果を科学的に解説します。


赤貝とは何か

赤貝は

フネガイ科(Arcidae)に属する二枚貝

で、日本では主に

  • 瀬戸内海

  • 東京湾

  • 有明海

などで漁獲されます。

寿司ネタとして利用されるのは

サルボウガイ(ark shell)

という種類です。

名前の「赤」は

ヘモグロビン様タンパク質を持つため

と言われています。

つまり

貝なのに血のような赤い体液を持つ

という珍しい特徴があります。

この特徴は、実は栄養学的にも重要です。


赤貝の栄養成分

文部科学省「日本食品標準成分表」に基づく
赤貝(生・100g)

栄養素含有量
タンパク質約13〜15g
脂質約1g
炭水化物約3g
カロリー約70kcal
約5mg
ビタミンB12約30〜40µg
亜鉛約2mg

つまり赤貝は

高タンパク・低脂質・高ミネラル食品

です。


赤貝の健康効果①

高タンパクで筋肉維持に有効

赤貝100gには

約13〜15gのタンパク質

が含まれます。

これは

  • 鶏むね肉

  • 豆腐

と同等レベルです。

タンパク質の役割は

  • 筋肉合成

  • 免疫細胞

  • ホルモン

  • 酵素

など。

特に高齢者では

サルコペニア(筋肉減少症)

の予防に

十分なタンパク質摂取が重要

とされています。

2018年のレビュー(Journal of Cachexia Sarcopenia Muscle)では

高齢者は体重1kgあたり1.0〜1.2gのタンパク質摂取が望ましい

と報告されています。

赤貝は

脂質が非常に少ないため

体重管理中のタンパク源としても優秀です。


赤貝の健康効果②

鉄分が非常に豊富

赤貝は

鉄分の多い食品として有名

です。

100gあたり

約5mg

含まれています。

比較すると

食品
ほうれん草約2mg
牛肉約2.7mg
牡蠣約3mg
赤貝約5mg

かなり多いことが分かります。

鉄は

ヘモグロビンの材料

であり

酸素運搬に必須です。

鉄不足になると

  • 貧血

  • 倦怠感

  • 集中力低下

  • 動悸

などが起こります。

特に女性では

月経による鉄欠乏

が多く

世界保健機関(WHO)は

世界人口の約30%が鉄欠乏

と報告しています。

赤貝は

鉄補給食品として非常に優秀

です。


赤貝の健康効果③

ビタミンB12が非常に多い

赤貝は

ビタミンB12が非常に豊富

です。

100gあたり

約30〜40µg

含まれます。

成人の必要量

2.4µg

つまり

10倍以上

です。

ビタミンB12の役割

  • 赤血球形成

  • 神経保護

  • DNA合成

不足すると

巨赤芽球性貧血

末梢神経障害

が起こります。

B12は

動物性食品にしか存在しない

ため

  • 高齢者

  • 菜食主義者

で不足しやすい栄養素です。


赤貝の健康効果④

亜鉛による免疫サポート

赤貝には

亜鉛

も含まれます。

亜鉛の役割

  • 免疫機能

  • 味覚

  • DNA合成

  • 男性ホルモン

不足すると

  • 味覚障害

  • 免疫低下

  • 皮膚炎

などが起こります。

2020年のレビュー(Nutrients)では

亜鉛は免疫細胞の機能維持に重要

とされています。


赤貝の健康効果⑤

タウリンによる肝臓サポート

貝類には

タウリン

が豊富です。

タウリンは

  • 胆汁酸合成

  • コレステロール代謝

  • 抗酸化作用

などがあります。

研究では

タウリンは

  • 血圧低下

  • 心血管保護

  • 脂質代謝改善

などに関与すると報告されています。


赤貝と心血管疾患

魚介類摂取は

心血管疾患リスク低下

と関連することが知られています。

大規模研究

NEJM (2002)

では

魚介類摂取量が多い人ほど
心血管死亡率が低い

と報告されています。

理由は

  • EPA

  • DHA

  • タウリン

などです。

赤貝は脂質は多くありませんが

タウリンなどの機能性成分

が含まれています。


赤貝の注意点

① 食中毒

貝類では

  • ノロウイルス

  • 腸炎ビブリオ

のリスクがあります。

特に

  • 生食

では注意が必要です。


② プリン体

貝類には

プリン体

が含まれます。

そのため

痛風患者では

過剰摂取は避ける

必要があります。


赤貝は健康食品なのか

結論として

赤貝は

非常に栄養価の高い食品

です。

特徴

  • 高タンパク

  • 鉄が多い

  • B12豊富

  • 亜鉛

  • タウリン

つまり

貧血・疲労・筋肉維持

に良い食品です。

特に

  • 女性

  • 高齢者

  • 筋トレしている人

にはおすすめできます。


まとめ

赤貝は単なる寿司ネタではなく

医学的に見ても優秀な栄養食品

です。

ポイントは

  • 高タンパク

  • 鉄豊富

  • B12豊富

  • 亜鉛

  • タウリン

つまり

「貧血予防+筋肉+免疫」

を同時にサポートする食材です。

日本の伝統的な海産物には

このように

科学的にも理にかなった栄養食品

が多く存在します。

寿司屋で赤貝を見かけたら

ぜひ

「美味しさ」と「栄養」

両方を楽しんでみてください。



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