2019/03/13

健康講座5 ~ナッツ類のチカラ~

心血管疾患(狭心症・心筋梗塞)合併や早期死亡の予防に、ナッツ類(とくに木の実)の摂取を増やすことは、糖尿病診断後いつからでも遅くはないのかもしれない―。

2型糖尿病患者を対象にランダム化比較試験のメタ解析を行ったところ、ナッツ類は糖尿病患者のHbA1cを有意に低下させることが示された。

(※ナッツ類:アーモンド、ブラジルナッツ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ピーカン、松の実、ピスタチオ、クルミ)


対象試験:MEDLINE、EMBASE、CINAHL、コクランより抽出した12試験(n=450)(2014年4月6日時点まで)

ナッツ類を基調とした食事(含有中央値:56g/日)と等カロリーのナッツなしの食事の比較で、ナッツ類を基調とした食事で下記指標の有意な低下が認められた。
HbA1c: 平均差  -0.07%(95% CI:-0.10、-0.03%)、p = 0.0003
空腹時血糖値: 平均差 -0.15 mmol/L(95%CI:-0.27、-0.02 mmol/L)、p = 0.03


結果:ナッツ食で血糖値低下

さらに以下の二つの試験で血糖低下のみだけでなく心血管の病気や寿命にも寄与することがわかりました。


1.
米国・ハーバードメディカルスクールのYing Bao氏らが、米国の看護師健康調査(1980~2010年)と医療従事者追跡調査(1986~2010年)の参加者約12万人について行った試験で明らかにしたもので、NEJM誌2013年11月21日号で発表した。

2.米国・ハーバードT.H.Chan公衆衛生大学院のGang Liu氏らが、看護師健康調査(1980~2014年)と医療従事者追跡調査(1986~2014年)の参加者のうち、ベースライン時あるいは追跡期間中に2型糖尿病と診断された1万6,217例について行った試験で明らかにしたもので、Circulation Research誌オンライン版2019年2月19日号で発表した。

 これら研究は、ナッツ摂取量と冠動脈疾患(CHD)や脳卒中を含む心血管疾患リスク、全死因死亡率と疾患特異的死亡率の関連を調べることを目的として行われた。

 主な結果は以下のとおり。

・総ナッツ摂取量の増加は、CVD発生率および死亡率低下と関連した。

・木の実(クルミ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、マカダミア、ヘーゼルナッツなど)の摂取量が多いほど、総CVDおよびCHD発生率、CVDとがんによる死亡率、全死因死亡率が低下していた。

・糖尿病と診断後に総ナッツ摂取量を変えなかった参加者と比較して、診断後に摂取量を増やした参加者は、CVDリスクが11%、CHDリスクが15%低かった。また、CVD死亡率は25%、全死因死亡率は27%低かった。

難しい数値を羅列しましたが結論だけ知っておいてください。

木の実(クルミ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、マカダミア、ヘーゼルナッツなど)の摂取量が多いほど心臓の血管疾患や死亡が減る可能性が高い。



木の実を食べましょう。

どうしても間食してしまうときに何を食べたら良いかとよく聞かれます。

どうしてもお腹がすいたら木の実を食べましょう!




 


  





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