2019/06/25

健康講座74~お腹ポッコリ、がんリスク?

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。

 体重やBMIではなく、腹部肥満が閉経後女性における一部のがん発症のリスク因子になり得るとの研究結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2017、9月8~12日、スペイン・マドリッド)で報告された。

 この結果は閉経を迎えた女性では体重管理、特に腹部肥満の予防ががんリスクの低減に肝要であることを示している。閉経後には、脂肪は身体の中心部にたまりやすくなることが知られており、今回の結果は高齢女性に有用な情報をもたらした。女性は閉経期が近づいてきたら生活習慣に気を配り、余分な脂肪が身体にたまらないように気をつけるべきと思われる。
 

 対象女性が発症したがんのうち、特に肺がんと消化器がんリスクには、「腹部肥満」が独立した予測因子となることが分かった。一方で、BMIと体脂肪率はいずれも有意ながんのリスク因子ではないことも示された。

 この結果は一部のがんの発症には肥満、中でもインスリン抵抗性が深く関与していることを裏付けるものが考えられる。

 インスリン抵抗性は、特に内臓脂肪や腹部脂肪の過剰な蓄積につながると示唆される。
 また、インスリンはホルモンの分泌にも悪影響を及ぼしており、脂肪が過剰に蓄積すると全身で慢性炎症が引き起こされ、ある種のがん発症のリスク因子になる可能性が考えられるという。

 今回のデータは、肥満患者に積極的な介入を行うきっかけとなるものだ。食生活の是正や運動によって脂肪を減らすなどの対策のほか、インスリンの影響を低減するとされるメトホルミンなどの糖尿病治療薬にがん予防での有益性が期待される可能性が示唆される。

1 件のコメント:

  1. 腎移植は、医学の進歩により成功率が高まっていますが、手術後の免疫抑制剤の使用や合併症のリスクなど、いくつかの課題もあります。また、ドナーの適格性や手術に関する情報へのアクセスも重要です。腎移植は、患者と家族にとって深い感情的な負担を伴う場合もありますが、それでも多くの人々に新たな命の可能性をもたらしています。 腎移植

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