2019/10/08

健康講座118~食事タイミングと肥満予防

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。

朝食や夕食を取るタイミングを変えて、1日の中で食事を取る時間帯を制限するとカロリー摂取量を抑えられ、脂肪を減らせる可能性があることが、英サリー大学時間生物学・統合生物学のJonathan Johnston氏らが実施した小規模な予備的研究から明らかになった。この研究結果は「Journal of Nutritional Science」8月30日オンライン版に発表された。
 
 普段よりも朝食の時間を90分遅らせ、夕食の時間を90分早めて食事を取る時間帯を制限すると、1日当たりのカロリー摂取量が25%減り、普段通りの時間に食事を取っていた人と比べて体脂肪も2倍以上減少することが分かった。
 
 研究では、9人の男女に朝食の時間を普段より90分遅らせ、夕食の時間を90分早めてもらった。ただし、決められた時間内であれば食べる回数は制限しなかった。また、対照群とした7人には普段通りの時間に食事を取ってもらった。なお、参加者には血液検査に加えて、研究実施前から期間中に食事日記をつけてもらった。
 
 その結果、10週間後には、食事を取る時間帯を制限した群では体脂肪が2%減少したのに対し、対照群では1%未満の減少にとどまっていた。また、1日当たりのカロリー摂取量も、食事を取る時間帯を制限した群では2,091kcalから1,553kcalに減少した。研究終了後に実施した質問票による調査から、時間帯を制限した群の参加者では「食欲が低下した」「間食の機会が減った」ことなどを理由に食べる量が減る傾向にあったことが分かった。
 時間帯を制限することで自分の代謝リズムに合ったタイミングで食事を取るようになった可能性がある。また、1日のうち空腹で過ごす時間が増えたことも要因ではないかと推測している。
 
 しかし、こうした食事時間の制限を守り続けるのは難しい場合が多い。今回、食事する時間帯を制限した群の参加者の57%は、家族と時間が合わない、社会的な付き合いが難しいといった理由から長期間続けられなかったと回答していた。一方で、残る43%は「もっと柔軟に実践できるのであれば継続も考えたい」と前向きな考えを示していたという。
 

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