2019/11/22

健康講座152~若年高血圧症の危険性

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長小川義隆です。

 韓国の若年成人(20~39歳)において、米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)が2017年に発表した高血圧ガイドライン(ACC/AHAガイドライン2017)の定義でステージ1・2の高血圧症者は、男女ともに正常血圧者と比較して、その後の心血管疾患(CVD)イベントリスクの増大と関連することが示された。

 韓国・ソウル大学校病院のJoung Sik Son氏らが、約249万例を中央値10年追跡して明らかにしたもので、ステージ1群の男性は1.25倍、女性は1.27倍高かったという。これまで、若年成人におけるACC/AHAガイドライン2017とその後のCVDリスクとの関連は検討されていなかった。JAMA誌2018年11月6日号掲載の報告。

ACC/AHAガイドライン2017により4群に分類
 研究グループは、韓国国民健康保険サービスに加入する20~39歳で、2002~05年に測定した血圧値が得られた248万8,101例を対象に、2006年1月1日~2015年12月31日まで追跡し、40歳未満の時点における血圧値と、その後のCVDリスクについて評価した。
 具体的には、ACC/AHAガイドライン2017に基づき、40歳未満の血圧測定値で被験者を、
正常血圧(120/80mmHg未満)
正常高値(120~129/80mmHg未満)
ステージ1高血圧(130~139/80~89mmHg)
ステージ2高血圧(140/90mmHg以上)
の4つに分類し、追跡評価した。
 主要評価項目は、CVDによる2日以上の入院またはCVD死亡で定義した「CVD」。副次評価項目は、冠動脈疾患(CHD)、脳卒中だった。

ステージ1高血圧症、CVD、CHD、脳卒中リスクが男女ともに増大
 被験者248万8,101例は、年齢中央値31歳(四分位範囲:27~36)、女性は78万9,870例(31.7%)だった。追跡期間中央値10年において、CVDイベントの発生件数は4万4,813件だった。
 男女ともに、ベースラインでステージ1高血圧症群は、正常血圧群に比べ、CVDイベント、CHD、脳卒中のリスクがいずれも高かった。
 男性では、CVDイベント発生率は、ステージ1群の215/10万人年に対し正常血圧群は164/10万人年だった。またCHD発生率は、それぞれ134/10万人年、103/10万人年、脳卒中発生率は、90/10万人年、67/10万人年だった。
 女性では、CVDイベント発生率は、ステージ1群の131/10万人年に対し正常血圧群は91/10万人年だった。CHD発生率は、それぞれ56/10万人年、42/10万人年、脳卒中発生率は、79/10万人年、51/10万人年だった。
 ステージ2群についても、同様にリスク増大が認められた。

 若いうちから高血圧に中止ましょう。

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