2019/12/01

健康講座160~笑いのちから

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック院長の小川です。

 日本人の一般集団では、日常生活の中で笑う頻度が高いほど全死亡率や心血管疾患の発症率が低い可能性があることが、山形大学医学部看護学科教授の櫻田香氏らの検討で分かった。心筋梗塞や脳卒中を減らし、早期死亡リスクを低減するためには、日常生活でもっと笑う機会を持つことが鍵となる可能性があるという。
 これまでの研究で、ポジティブな心理的要因は長寿と関連するのに対し、抑うつや不安、心理的苦痛といったネガティブな要因は心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患の発症につながる可能性が示唆されている。山形県の一般住民を対象に、毎日の生活の中で笑う頻度と死亡率および心血管疾患の発症率との関連について前向き研究を実施した。
 中央値で5.4年の追跡期間中に、257人(1.5%)が死亡し、138人(0.8%)が心血管疾患を発症した。解析の結果、日ごろほとんど笑わない人では、全死亡率と心血管疾患の発症率が有意に高いことが分かった。
 また、年齢や性、高血圧、喫煙や飲酒の習慣で調整したCox比例ハザードモデル分析の結果、週1回以上笑う人と比べて、笑う頻度が月1回未満の人では死亡リスクが約2倍に高まることが分かった。同様に、週1回以上笑う人と比べて、その頻度が週1回未満~月1回以上の人では心血管疾患の発症リスクは約1.6倍であった。
 特に男性や飲酒の習慣がある人、糖尿病患者、運動不足の人、配偶者がいない人で笑う頻度が低かったという。日本人の一般集団では、“笑い”は全死亡や心血管疾患発症の独立したリスク因子である可能性が示された。心血管疾患を減らし、長寿を目指すには、日常生活でもっと笑う機会を持つ工夫が必要かもしれないですね。

原著論文はこちら

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