2020/02/26

健康講座196~腹部肥満と心筋梗塞

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニックです。

 一度心筋梗塞を発症した患者は、腹部の脂肪が多いと、再度心筋梗塞を起こしやすいとする研究結果がでたようです。

 腹部肥満により初回の心筋梗塞リスクが上昇することはこれまでの研究で明らかにされていたが、今回の研究では、2度目のリスクも高まることが示された。予防薬をきちんと飲んでいても、あるいは血液検査の結果が正常値でも、心筋梗塞や脳卒中の予防のためには標準的な腹囲を維持することが重要と述べている。

 この研究は、初回の心筋梗塞を起こしたスウェーデンの患者2万2,882人(男性1万6,950人、女性5,932人)を対象に、腹部肥満と心血管イベント再発との関連を追跡調査したもの。追跡期間の中央値は3.8年だった。なお、心血管イベントとは、致死的・非致死的な心筋梗塞や脳卒中など動脈血栓により引き起こされたものとし、また、腹部肥満は、腹囲が男性では94cm以上、女性では80cm以上と定義した。対象者の大半(男性の78%、女性の88%)は、腹部肥満であった。

 その結果、腹部肥満は、喫煙、糖尿病、高血圧、コレステロール、BMIといった他のリスク因子とかかわりなく、致死的・非致死的な心筋梗塞や脳卒中と独立して関連することが明らかになった。

 
 腹部脂肪が危険であるのは、高血圧、高血糖、糖尿病、コレステロール値の上昇など、動脈血栓を促進させる症状に関連するためだと説明されている。しかし、今回の研究では、腹部肥満自体が独立したリスク因子であることが示された。つまり、腹部肥満にはまだ知られていない有害なメカニズムが存在する可能性がある。

 腹部肥満には、健康的でバランスの取れた食事と定期的な運動によって対処できる。また、再発リスクの高い心筋梗塞患者を特定するために、臨床現場で腹囲を測定することも推奨します。

 
 現在のところ、減量や食事と生活習慣の改善以外に腹部肥満を標的とする治療法はない。しかし、将来的に肥満解消に有効な治療法が開発されれば、心筋梗塞後の患者の転帰を改善できる可能性があります。


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