2020/02/12

健康講座189~少量アルコールと脂肪肝

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニック。


 少量の飲酒は体に良いと言われるが、脂肪肝の有無でその影響が異なる可能性を示された。男性において脂肪肝がある人では少量の飲酒に良い面がある一方で、脂肪肝のない人では高血圧のリスクが高くなるかもしれないという。

 
 定期健康診断の受診者データを基に、少量の飲酒習慣の影響を脂肪肝の有無別に検討した。対象者は2017年1年間の男性の健診受診者2,096人から、酒類を1日にアルコール換算で20g以上摂取している人や肝炎患者などを除いた1,190人。このうち505人(42.4%)が非飲酒者、685人(57.6%)が少量飲酒者で、腹部超音波検査により561人(47.1%)が脂肪肝と判定された。

 
 まず、非飲酒者と少量飲酒者を単純に比較すると、年齢やBMI、喫煙者率、高血圧の有病率、尿酸値、AST・ALT(肝機能の指標)などは有意差がなかった。脂質異常症やIGT(糖尿病予備群)、脂肪肝、CKD(慢性腎臓病)、MetS(メタボリックシンドローム)の有病率、HbA1c(糖尿病の指標)、Fib-4(肝臓線維化の指標)、および蛋白尿を有する割合などは、少量飲酒群が有意に低かった。定期的な運動習慣のある人の割合は少量飲酒群が有意に高かった。

 

 次に、脂肪肝の有無別に非飲酒者と少量飲酒者を比較検討。すると、脂肪肝のない群では飲酒習慣の違いによる年齢やBMIに有意差はないものの、高血圧の有病率は、非飲酒者26.6%、少量飲酒者が35.3%で、少量飲酒者の方が有意に高かった。

 一方、脂肪肝のある群では、脂質異常症、MetS、IGTの有病率は少量飲酒者の方が低く、群間に有意差があった。CKDの有病率も有意でないが少量飲酒者の方が低かった。年齢やBMIに関しては飲酒習慣の違いによる有意差はなかった。

 
 脂肪肝の有無により少量飲酒の影響が異なることが示された。脂肪肝のない人では少量飲酒で高血圧のリスクが上昇し、脂肪肝のある人ではメダボリックシンドローム関連因子の有病率を低下させる可能性がある。

 あくまでも少量のアルコールですのであしからず。



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