2020/03/01

健康講座198~犬の飼育とフレイル(要介護状態の予備群)

こんにちは。

小川糖尿病内科クリニックの小川義隆です。

 犬を飼ったことがある人は、フレイル(要介護状態の予備群)になりにくい可能性が、日本人の高齢者を対象とした検討から示された。


 この研究は、東京都大田区の住民を対象に行われている「大田元気シニアプロジェクト」の一環として実施した縦断調査。2016年に登録された65歳以上のフレイルでない地域住民7,881人のうち、2018年の追跡調査で再評価が可能だった6,197人(平均年齢73.6±5.3歳、うち女性53.6%)を対象とした。フレイルの定義は、Friedらの虚弱指標に対して併存的および予測的妥当性が確認されている日本人高齢者向けの指標によった。

 ベースライン時点で犬や猫を飼っていたのは870人(14.0%)、過去に飼ったことがあるのは1,878人(30.3%)で、3,449人(55.7%)は犬・猫いずれも飼った経験がなかった。犬や猫の飼育経験がある人はない人に比べて年齢が若く、同居する家族や配偶者がいる割合、学歴、所得、生活体力指標(MFS)が高い傾向があった。

 2年間の追跡期間中に918人(14.8%)がフレイルを発症した。年齢、性別、居住地域で調整し、犬や猫の飼育経験がない人を基準にフレイルの発症リスクを検討すると、過去・現在に飼っていた人は有意にリスクが低くかった。

 

 犬を飼育する経験は身体活動量と屋外で過ごす時間を増やすため、高齢者の身体的・社会的機能を高く維持することにつながり、フレイルリスクを抑制する上で重要な役割を果たす可能性があるようです。


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