こんにちは。
小川糖尿病内科クリニックでございます。
過体重または肥満の成人に対し、食事療法と強化行動療法を行ったうえでGLP-1受容体作動薬セマグルチド2.4mgの週1回皮下投与により、プラセボと比較し有意な体重減少効果が示されました(セマグルチド群-16.0%、プラセボ群-5.7%、p<0.001)。また有害事象としては消化器症状が最も多く認められました(セマグルチド群82.8%、プラセボ群63.2%)。
しかしながら注意点として、
本試験は、セマグルチド投与に加えて、栄養士による低カロリーの食事療法や厳格な行動療法のカウンセリングを68週間の投与期間中30回も併用することにより、16%の体重減少効果を認めたものでございます。
また、日本ではセマグルチド2.4mgの注射製剤はまだございません。2020年から2型糖尿病の治療薬としてセマグルチド1.0mgは使用できるようになってはいますが、保険適用はあくまでも2型糖尿病であり、本試験の対象のような非糖尿病の肥満者は適応外となります。もし日本人を対象としたセマグルチドの試験で安全性や有効性が認められれば、非糖尿病の過体重・肥満の治療の選択肢となる可能性があるかもしれません。
参考文献
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