こんにちは。
東海市にある小川糖尿病内科クリニック院長の小川義隆でございます。
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染が確定した患者と濃厚接触した無症状および症状発現前の集団では、接触から5日後の迅速抗原検査によるSARS-CoV-2検出の感度は60%以上であり、ウイルス量のカットオフ値を感染力の代替指標とした場合の感度は85%以上に達することが示されました。
2種類の検査の診断精度を評価する前向き横断研究
研究グループは、SARS-CoV-2感染者と濃厚接触し、無症状および症状発現前の集団を対象に、接触から5日後における2種類の迅速抗原検査の診断精度を評価する目的で、前向き横断研究を行いました。参加者は、オランダ公衆衛生サービスの4ヵ所の検査施設で募集された。対象は、年齢16歳以上の濃厚接触者で、登録時に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状がみられない集団でありました。
主要アウトカムは、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法による検査を参照基準とした迅速抗原検査の診断精度(感度、特異度、陽性・陰性予測値)とした。感染力の代替指標として、RT-PCR検査の結果が陽性の集団の95%が、ウイルス培養で陽性となるウイルス量のカットオフ値を用いた。
無症状者の感度58.7%、59.4%、有症状者84.2%、73.3%
迅速抗原検査とRT-PCR法の結果が得られた4,274例が解析に含まれました。ウイルス量のカットオフ値(≧5.2 log10 SARS-CoV-2 E遺伝子コピー数/mL)を感染力の代替指標とした場合、全体の感度は86.8~90.1%であり、一貫して無症状の集団の感度は、約87%でございました。
すべての解析において、迅速抗原検査の特異度は>99%であり、陽性予測値は>90%、陰性予測値は>95%でありました。
要するにですよ。SARS-CoV-2感染が確定された患者の濃厚接触者は、症状の発現がない場合であっても、5日目以降に迅速抗原検査で正確にSARS-CoV-2の検出が可能と考えられるのです。ただし、この検査は、感染を見逃すと深刻な影響が出ると予測される場合には使用すべきではないのでご留意ください。
よろしければ、ご参考になさってください。
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