2021/08/30

健康講座271 小児の語彙力を伸ばすには!?

みなさんどうもこんにちは。


小川糖尿病内科クリニックでございます。


 さて、小児の語彙力を伸ばすのに、水泳が役立つようでございます。6〜12歳の小児を対象に、運動の種類と語彙習得との関連を検討した結果、有酸素運動との間に有意な関連が認められたとする研究結果が報告されました。米デラウェア大学コミュニケーション科学・障害分野による研究でございます。

 成人を対象にした過去の研究では、運動を行った後には脳が活性化し、語想起が改善することが報告されている。今回、6〜12歳の小児48人を対象に、語彙習得過程において、有酸素運動と無酸素運動という運動の種類の違いが、語彙習得過程に影響を及ぼすか否かを検討しました。まず、全対象者が新しい言葉を学びました。その後、3分間の塗り絵か、3分間の有酸素運動(水泳)、または無酸素運動のいずれかを行った後に、学んだ言葉に関するテストを受けたのです。

 その結果、有酸素運動を行った小児では塗り絵を行った小児に比べて、学習した言葉に関する理解度が13%有意に高かったようでございます。しかし、無酸素運動を行った小児と塗り絵を行った小児の間では、このような有意差は認められなかったようです。

 運動は新しく覚えた言葉のコード化に役立つようです。なぜなら、運動により脳由来神経栄養因子(BDNF)と呼ばれるタンパク質のレベルが高まるとのことでございます。BDNFは記憶や学習において重要な役割を果たすことが明らかにされているのです。

 では、有酸素運動で得られたような効果が、無酸素運動で得られなかったのはなぜなのでしょうか。それは、脳が必要とするエネルギー量の違いが原因だと言われております。つまり、水泳は、あれこれ考えたり教えられたりしなくても、小児が自ずとできる運動だ。それに対して、クロスフィットのようなエクササイズのような無酸素運動は、小児が初めて行う運動だったので、動き方を覚える必要があり、そのためには精神的なエネルギーを必要としたということだおうです。

 この研究結果は、医療従事者、介護者、教育者などが実践で利用できるものです。有酸素運動を取り入れるというのは、難しいことではございません。ですが、それにより確実な成果が得られる可能性が期待できます。

原著

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