2021/10/19

健康講座354 夕食のタイミングと体重

 みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 夕食を遅い時間に取る人は、体重に注意した方が良いかもしれないのでございます。夕食のタイミングが遅い場合、寝ている間に体重が増える可能性があるというのです。

 米ジョンズ・ホプキンス大学では、1日に口にする食べ物のエネルギー量が同じだとしても、食事の時間次第で体内での代謝が異なるかもしれません。夕食の時間が遅いと代謝が滞り、血糖値が上がり、体重増加の原因となる物質が増えるために、食べた量以上に肥満が助長されるのかもしれないと示唆しています。

 健康なボランティア20人(男性と女性それぞれ10人ずつ)を対象に、夕食の摂取時間の違いが食後の血糖値や中性脂肪などの代謝パラメータに与える影響を、ランダム化クロスオーバー法で検討したようです。対象者の平均年齢は26.0±0.6歳、BMI23.2±0.7。研究に先立ち加速度計を使用してもらい、普段の生活パターンを把握したところ、就寝時間は22~1時の間だったようです。

 本研究での睡眠時間は23~7時としたようです。夕食のエネルギー量は1日の総摂取量の35%、炭水化物50%、脂質35%で統一し、脂肪燃焼を評価するための標識として、パルミチン酸15mg/kgを食事に添加したようです。食後は1時間ごとの採血により血糖値、インスリン、中性脂肪、遊離脂肪酸、コルチゾールなどを測定し、睡眠中には睡眠ポリグラフによって睡眠状態を評価したのです。

 夕食を22時に食べた時の代謝パラメータの変化は、18時に食べた時より4時間後ろにシフトし睡眠時間と重なり、血糖値のピークはより高く上昇したのです。中性脂肪のピークは遅延し、遊離脂肪酸は低値となり、脂肪の燃焼も低下したのです。睡眠状態への影響は見られなかったが、コルチゾールは増加したようです。これらの影響は、ふだんの就寝時間が早い人でより強く認められました。

 夕食を食べる時刻が遅くなる影響は、肥満の人や糖尿病の人で、より大きく現れる可能性があるります。この違いが食事から就寝までの時間の差によるものなのか、食事の時刻そのものの差によるものなのかは明らかではないようです。例えば、22時に夕食を取ったとしても3時に就寝するのであれば、18時に食事し23時に眠るのと代謝への影響は同じなのかという疑問でございます。食事や睡眠の影響は、個人の代謝や体内時計に基づき、個人ごとに異なる可能性があります。

 就寝前に食事をすると、糖と脂肪の代謝が変化するという結果は理にかなっていそうです。人々は、しばしば夕食を食べてから就寝時までに間食をする。この行動には、ストレス、孤独感、怒りなども関連しているようです。

 その対策として、コップ1杯の水やハーブティーを飲む、読書や散歩をする、音楽やオーディオブックを聞くなどがありそうです。また夕食を食べ過ぎないために、午後に軽くスナック(ナッツや野菜など)を食べる方法もあるかもしれません。

原著

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