2021/10/20

健康講座356 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症とワクチン

みなさんどうもこんにちは。


小川DMCLでございます。


さて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症をワクチンが予防のみならずその発生後の投与で治療しうることをフランスでの試験で示されました。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した患者のその発症か無症状感染の診断確定からたいてい3ヵ月間に、代替診断が不可能な疲労・息切れ・認知機能障害などの症状が生じ、そして少なくとも2ヵ月間続くことをWHOはCOVID-19後遺症(post COVID-19 condition)と定義しました1)。症状はCOVID-19の発症初期からひと続きのこともあればCOVID-19がいったん収まってから新たに発生することもあり、日常生活に影響を及ぼすこともあります。また、症状は小康と悪化を繰り返すか再発するかもしれないとのことです。

COVID-19患者のほとんどは感染発覚時の症状が済めば感染前の健康を取り戻します。しかしCOVID-19患者の10人に1人、もしくは5人に1人はWHOが定義したような数週間から数ヵ月にも及ぶ後遺症に陥ることがこれまでの試験で示唆されているのでございます1)

英国での試験によるとワクチンを接種済みであればたとえSARS-CoV-2に感染してもそういう後遺症を生じ難くなるようです。

試験ではワクチン接種済みの97万1,504人のうち2,370人(0.2%)がSARS-CoV-2に感染し、ワクチン接種済みだと28日以上の後遺症の発現率が約半分で済んでいました2,3)

ワクチンの効果はその予防にとどまりません。なんと、COVID-19後遺症に陥ってからの接種でその症状がより改善することが試験結果で示されたのでございます4)


観察期間の開始から120日後時点のワクチン接種群の後遺症は非接種群に比べてより緩和しました。また、17%の患者の後遺症は解消に至っており、非接種群のその割合8%をおよそ2倍上回りました。受け入れがたい症状の患者の割合はワクチン非接種群では46.4%と半数近かったのに対してワクチン接種群では5人に2人ほど(38.9%)で済んでいました。

ワクチン接種群で入院を要した深刻な有害事象の発生率はわずか0.4%であり、COVID-19後遺症患者へのワクチン接種の安全性も確認されました。



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