2022/03/16

健康講座466 COVID-19患者における細菌の同時感染

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 COVID-19患者における細菌の同時感染や2次感染はまれであるということが、最近発表されたメタアナリシスや前向き研究で明らかにされている。しかし、これらの研究では、調査対象の患者の約70%に抗菌薬が処方されてようです。COVID-19患者集団における細菌の同時感染率を明らかにするため、入院中の抗菌薬使用と同時感染の状況について後ろ向き横断研究により検討したようです。

 新型コロナ流行開始以来、COVID-19患者に対し、症状からほかの感染症が疑われる場合を除き、抗菌薬の処方は原則行っていません。2020年11月1日~21年10月9日までに、入院したCOVID-19感染が確認された症候性患者1,056例(年齢中央値:50歳、男性669例、女性387例)を解析対象としました。533例(50.5%)が軽症、313例(29.6%)が中等症I、203例(19.2%)が中等症II、7例(0.7%)が重症であったようです。入院中、9例(0.9%)が死亡、1,046例(99.1%)が回復、1例が回復前に他院に転院したとのことです。

 調査結果によると、104例(9.9%)で入院前に抗菌薬が処方されていたが、入院中に抗菌薬が投与された患者は18名(1.7%)だったのです。このうち15例は治療、3例は予防として使用しました。入院中に微生物学的に確認されたCOVID-19以外の感染症は6例(0.6%)で7件であったようです。軽症のCOVID-19を除いても5例(0.9%)であったのです。

 本研究により、COVID-19患者において、入院中の抗菌薬使用頻度が低いにもかかわらず、細菌による同時感染はまれで、そのほとんどが非重症例だったことがわかりました。また、非重症患者のほとんどが抗菌薬なしで回復したことから、非重症患者の治療に抗菌薬を使用する必要はほぼなく、COVID-19患者の治療には、薬剤耐性を考慮し、抗菌薬の使用を慎重に行う必要があるようです。

2 件のコメント:

  1. 小川先生 YouTubeなど少し拝見させていただきました。大府市に情報発信されてる先生がいて嬉しいです!今後も応援しています

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    1. コメントありがとうございます。
      You Tubuまでご覧いただき感激です。
      まだまだ、少しですが今後も精進して参りますね。

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