2022/07/11

健康講座516 多価不飽和脂肪酸(PUFA)の摂取量増加は死亡低下

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 2型糖尿病患者において、多価不飽和脂肪酸(PUFA)の摂取量増加は炭水化物または飽和脂肪酸の摂取と比較して、全死亡および心血管死の低下と関連していることが認められております。中国・浙江大学が、米国のNurses' Health StudyおよびHealth Professionals Follow-up Studyのデータを解析して明らかにしたようです。結果は、2型糖尿病患者の心血管死および全死亡の予防に、食事中の脂肪の質が重要な役割を果たすことを示しております。糖尿病患者の食事ガイドラインでは、良好な健康を維持するためにトランス脂肪の摂取を減らし、飽和脂肪を不飽和脂肪に置き換えることを推奨しているのですが、これは一般集団での検討結果に基づいたもので、糖尿病患者における特定の食事中の脂肪と全死亡および心血管死との関連性についてはこの度の報告でより知見が深まりました。


 研究グループは、2型糖尿病患者における食事中の脂肪と心血管死および全死亡との関連を評価する目的で、米国のNurses' Health Study(1980~2014年)およびHealth Professionals Follow-up Study(1986~2014年)の2型糖尿病患者1万1,264例について解析したようです。

 参加者は、食事中の脂肪の摂取について、食事摂取頻度調査票を用いた2~4年ごとの調査を受けていた。

 主要評価項目は、追跡期間中の全死亡と心血管死であるようです。食事中の脂肪の摂取量と主要評価項目との関連について解析しました。

 追跡期間中、死亡は2,502例(うち心血管死646例)が確認された。解析の結果、多価不飽和脂肪酸(PUFA)の摂取は全炭水化物と比較し心血管死のリスク低下と関連していました。摂取量の第1四分位と比較した第4四分位のハザード比(HR)は、多価不飽和脂肪酸(PUFA)で0.76、海産物由来のn-3系PUFAで0.69、α-リノレン酸で1.13、リノール酸で0.75であったようです。全死亡についても、PUFA、n-3系PUFA、リノール酸で同様の関連が確認されたが、植物性ではなく動物性の一価不飽和脂肪酸は全死亡のリスク増加と関連していました。

 飽和脂肪酸からのエネルギーの2%を、総PUFAまたはリノール酸からの同等のカロリーに置き換えると、13%、15%、それぞれ心血管死のリスクが低下しました。また、飽和脂肪酸からのエネルギーの2%を総PUFAに置き換えると、全死亡のリスクが12%低下したのです。

 参考までに。

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