2022/07/22

健康講座521 ビーガン食と体重減少

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 肥満や2型糖尿病の管理がうまくいっていないのなら、ビーガン食を試してみるのも、一つの方法かもしれないです。それによって管理状態が改善する可能性を示唆するデータが、ステノ糖尿病センター(デンマーク)から報告されました。


 ビーガン食は植物性食品のみを摂取する最も厳格なベジタリアン食で、「完全菜食主義食」とも呼ばれる食事スタイルでございます。果物や野菜、ナッツ、マメ科植物、種子などが中心の食事で、動物性食品は乳製品も含めていっさい口にしない。このビーガン食による体重やBMI、血糖値、血清脂質、血圧などへの影響を、システマティックレビューとメタ解析により検討したようです。

 文献データベースを用い、2022年3月までに発表された、肥満(BMI25kg/m2以上)または2型糖尿病患者を対象に、ビーガン食による12週間以上の介入を行った無作為化比較試験(RCT)の英語論文を検索。11件の研究報告が抽出され、それらの研究参加者は合計796人(平均年齢48~61歳)で、介入期間は平均19週間だった。比較対照群として、ビーガン食以外の地中海食などによる介入群を置いた研究と、食事介入をせずに通常の食事を継続した群を対照とした研究が存在しました。

 メタ解析の結果、ビーガン食による介入群は対照群に比較して、体重の減少幅は4.1kg、BMIは1.38kg/m2、それぞれ有意に大きかった。比較対照を上記の2群に分けて解析すると、ビーガン食以外の地中海食などによる介入群との比較では、体重の減少幅は2.7kg、BMIの減少幅は0.87kg/m2の差だったのです。それに対して、食事介入をせずに通常の食事を継続した群との比較では、体重7.4kg、BMI2.78kg/m2という、より顕著な差が認められました。

 そのほか、HbA1cは0.18%、総コレステロールは11.6mg/dL、LDL(悪玉)-コレステロールは9.3mg/dLの群間差があり、それぞれビーガン食の介入による低下幅の方がやや大きかったです。中性脂肪や血圧の変化幅は、対照群とほとんど差がなかったようです。

 これまでに報告された研究のメタ解析から、ビーガン食を少なくとも12週間順守すると、肥満者には臨床的に意味のある体重減少がもたらされ、2型糖尿病患者の血糖値が改善する可能性のあることが明らかになりました。ビーガン食は脂肪の含有量が少なく、食物繊維の含有量が多いために、カロリー摂取量が低下して体重が減少すると考えられます。

 参考までに。

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