2022/10/21

健康講座553 がんのリスク因子

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 2019年の世界におけるがん負担に寄与した最大のリスク因子は喫煙であり、また、2010年から2019年にかけて最も増大したのは代謝関連のリスク因子(高BMI、空腹時高血糖)であることが、米国・ワシントン大学の世界疾病負荷研究(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study:GBD)2019 Cancer Risk Factors Collaboratorsの解析で明らかとなったようでございます。

 研究グループは、GBD 2019の比較リスク評価フレームワークを用い、行動、環境・職業および代謝に関連したリスク因子に起因するがん負担について、2019年のがん死亡および障害調整生存年(DALY)を推定するとともに、これらの2010年から2019年までの変化を検討しました。

 比較リスク評価フレームワークには、23のがん種と世界がん研究基金の基準を用いて特定した34のリスク因子から成る82のがんリスクと転帰の組み合わせが含まれている。


 2019年の推定されたすべてのリスク因子に起因する世界のがん死亡数は、男女合わせて445万人で、全がん死亡の44.4%を占めた。男女別では、男性288万人、女性158万人であり、それぞれ男性の全がん死亡の50.6%、女性の全がん死亡の36.3%であったようです。


 2019年のリスク因子に起因するがん死亡に関して、世界全体でこれらに寄与する主なリスク因子は、男女合わせると、喫煙、飲酒、高BMIの順であった。

 2010~19年に、リスク因子に起因する世界のがん死亡数は20.4%増加した。これらの増加率が最も高かったリスク因子は、代謝関連リスク(高BMI、空腹時血糖高値)であり、これらに起因する死亡数は34.7%増加した。

 世界的にがん負担が増加していることを踏まえると、今回の解析結果は、世界、地域および国レベルでがん負担を減らす努力目標となる重要で修正可能なリスク因子を、政策立案者や研究者が特定するのに役立つと考えられる。
原著論文はこちら

GBD 2019 Cancer Risk Factors Collaborators. Lancet. 2022;400:563-591.

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