2022/12/16

健康講座563 Long COVID(新型コロナウイルス感染症[COVID-19]の罹患後症状、いわゆる後遺症

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 2020年および2021年に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した症候性患者において、Long COVID(新型コロナウイルス感染症[COVID-19]の罹患後症状、いわゆる後遺症)の主要な症状クラスター(身体的痛みや気分変動を伴う持続性疲労、認知に関する問題、持続する呼吸器症状)のいずれかを有する割合は全体で6.2%と推定され、女性および入院を要したSARS-CoV-2初感染者で高いことが、米国・ワシントン大学世界疾病負担研究(Global Burden of Disease)Long COVID Collaboratorsの解析で明らかとなったようです。2021年10月、世界保健機関(WHO)は、SARS-CoV-2感染から3ヵ月経過後も認められる、少なくとも2ヵ月以上持続し他の診断では説明がつかない症状として、「post COVID-19 condition」の定義を発表しました。しばしば「Long COVID」と呼ばれるこれらの症状について、これまでの研究では個々の症状や症状数に関する報告が最も多く、症状の持続期間や重症度、重複症状に関する報告は少なかったようでございます。

2020年3月~2022年1月の症候性SARS-CoV-2感染者約120万人のデータを解析

 研究グループは世界疾病負担研究の一環として、54件の研究および米国の2つの医療記録データベースを用い、2020年3月~2022年1月における症候性SARS-CoV-2感染者のデータを収集し解析を行った。

 54件の研究は、公表された研究が44件で実施された共同コホート研究が10件で、医療記録データベースも合わせると、計22ヵ国から約120万人のデータが収集された。内訳は、公表された研究44件で入院例1万501例および非入院例4万2,891例、共同コホート研究10件でそれぞれ1万526例および1,906例、医療記録データベースでそれぞれ25万928例および84万6,046例。

 主要評価項目は、SARS-CoV-2感染3ヵ月後における自己報告によるLong COVIDの有病率(主要な3つの症状クラスター[身体的痛みや気分変動を伴う持続性疲労、認知に関する問題、持続する呼吸器症状]のうち少なくとも1つを有する割合)とし、20歳以上と20歳未満に分け入院・非入院別ならびに男女別に推計した。そのほか、Long COVID症状クラスターの持続期間や相対的な重症度についても評価した。

感染3ヵ月後のLong COVID有病率は全体で6.2%、20歳以上の女性では10.6%

 解析に含まれた各研究・コホートの平均年齢の範囲は4~66歳、男性の割合は26~88%であった。

 モデルを用いた解析でCOVID-19以前の健康状態を調整した結果、SARS-CoV-2感染3ヵ月後における症候性SARS-CoV-2感染者のLong COVID有病率は、全体で6.2%であった。

 症状クラスター別では、身体的痛みや気分変動を伴う持続性疲労が3.2%、持続する呼吸器症状が3.7%、認知に関する問題が2.2%であった。

 SARS-CoV-2感染3ヵ月後のLong COVID有病率は、20歳以上の女性では10.6%であり、20歳以上の男性での5.4%と比べて高率であった。20歳未満では男女とも2.8%と推定された。


 SARS-CoV-2感染3ヵ月後にLong COVID症状を有していた人のうち、推定15.1%は12ヵ月後も症状が持続していた。
原著

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