みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。
男性更年期障害(male menopause)は、男性の加齢に伴い生じるホルモンバランスの変化によって引き起こされる症状の総称です。ただし、女性の更年期と異なり、男性の更年期障害は明確な診断基準が存在せず、その症状や程度も人によって異なります。一般的に、男性の更年期障害には以下のような症状が挙げられます。
- 性欲の低下
- 勃起不全(ED)
- 疲労感
- 睡眠障害
- 不安・イライラ感
- 頭痛
- めまい
- 筋力の低下
- 肥満
- 骨粗鬆症
これらの症状が現れた場合には、男性更年期障害の可能性が考えられます。しかし、男性の更年期障害については、まだ研究途中のため、確定的な診断方法が確立されていません。一般的には、男性ホルモンの検査や症状の詳細な聞き取りなどを行い、医師が判断することが多いようです。
以下に、5つの文献を用いて男性更年期障害について詳しく説明する。
- Snyder PJ. Testosterone treatment of male hypogonadism. In: UpToDate, UpToDate, Waltham, MA, 2019.
このレビューでは、男性更年期障害の診断基準、症状、テストステロン補充療法の治療効果について述べられている。男性更年期障害は、低テストステロン症候群の診断基準を満たす場合に診断され、症状には筋力低下、骨粗鬆症、認知症、性機能低下、うつ病などが含まれる。テストステロン補充療法は、これらの症状の改善に有効であり、軽度な副作用を引き起こすことがある。
- Rhoden EL, Morgentaler A. Risks of testosterone-replacement therapy and recommendations for monitoring. N Engl J Med. 2004 Jan 29;350(5):482-92.
このレビューでは、男性更年期障害の治療におけるテストステロン補充療法の副作用とモニタリングについて述べられている。テストステロン補充療法は、前立腺がん、血栓症、心血管疾患、睡眠時無呼吸症候群などのリスクを増加させることがあるため、適切なモニタリングが必要である。
- Zitzmann M. Testosterone deficiency, insulin resistance and the metabolic syndrome. Nat Rev Endocrinol. 2009 Nov;5(11):673-81.
このレビューでは、男性更年期障害によって引き起こされるテストステロン欠乏症が、インスリン抵抗性と代謝症候群の発生と進行を促進する可能性があることが述べられている。さらに、テストステロン補充療法は、これらの病態を改善する可能性があることも示唆されている。
- Fink HA, Ewing SK, Ensrud KE, Barrett-Connor E, Taylor BC, Cauley JA, Orwoll ES. Association of testosterone and estradiol deficiency with osteoporosis and rapid
- 次に、2021年に公開された文献である「Andropause: Current concepts and future prospects」では、男性更年期障害の診断と治療に関する最新の知見がまとめられています。この文献によると、男性更年期障害は慢性炎症や酸化ストレス、生活習慣疾患、肥満などの病態が重なって発症することが多く、血液中のテストステロン濃度の低下だけが原因ではないとされています。
男性更年期障害の治療には、サプリメントや薬物療法が行われることがありますが、生活習慣の改善によって症状を改善させることもできます。以下に、生活習慣の改善による男性更年期障害の対策について説明します。男性更年期障害は、男性ホルモンであるテストステロンの減少によって引き起こされる症状である。
運動 適度な運動は、男性ホルモンの分泌を促進し、骨密度の低下や筋肉量の減少を防止するために有効です。例えば、ウォーキング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動や、筋力トレーニングなどがおすすめです。ただし、急激な運動は身体に負担をかけるため、無理のない程度で行うようにしましょう。
食生活の改善 バランスの良い食事を心がけ、野菜や果物、全粒穀物、健康的な脂肪などを積極的に摂取するようにしましょう。また、食事中にカフェインやアルコールを控えることも重要です。
睡眠の改善 睡眠不足は男性ホルモンの分泌を抑え、ストレスや疲労感を引き起こすことがあります。十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を高めるように心がけましょう。寝室は静かで快適な環境を整え、就寝前にスマートフォンやパソコンなどの画面を見るのは避けるようにしましょう。
ストレスの軽減 ストレスは男性ホルモンの分泌を抑え、男性更年期障害の症状を悪化させる原因となります。ストレスを軽減するためには、ストレス解消法やリラクゼーション法を取り入れることが有効です。
タバコや álcoholの過剰摂取の控え タバコや álcoholは、男性ホルモンの分泌を抑えるため、積極的な避けることが重要です。
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