健康講座577 ブロッコリーの健康×美容×ダイエット効果

 みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックでございます。

ブロッコリーは非常に栄養価が高く、健康と美容にとって重要な役割を果たします。以下は、エビデンスに基づいたブロッコリーの栄養素とそれらが健康と美容にどのように関連しているかを示したものです。

1. ビタミンC：ブロッコリーはビタミンCの豊富な源です。ビタミンCは、免疫力を高め、抗酸化作用を持ち、肌の健康を促進することが知られています。

2. カルシウム：ブロッコリーにはカルシウムも豊富に含まれています。カルシウムは骨の健康を維持し、歯を強化するのに役立ちます。

3. ビタミンK：ブロッコリーはビタミンKの良い源でもあります。ビタミンKは、骨を強化するのに役立ち、皮膚の健康を促進し、傷の治癒を助けます。

4. フォレート：ブロッコリーにはフォレートも豊富に含まれています。フォレートは、赤血球の形成を助け、貧血を防ぐのに役立ちます。また、皮膚の健康を促進することも知られています。

5. ビタミンA：ブロッコリーにはビタミンAも含まれています。ビタミンAは、皮膚の健康を促進し、目の健康を維持するのに役立ちます。

6. ポリフェノール：ブロッコリーにはポリフェノールも含まれています。ポリフェノールには抗酸化作用があり、老化や疾患のリスクを減らすことができます。また、肌の健康を促進することも知られています。　

　また、ブロッコリーは、植物性タンパク質の良い源としても知られています。100グラムあたり2.8グラムのタンパク質が含まれており、低カロリーであるため、ダイエット中の人々にとっても理想的な食品です。

タンパク質は、筋肉の構成要素であり、体内の様々な機能に必要です。タンパク質はまた、皮膚、髪、爪などの健康を維持するためにも重要です。特に、筋肉量を維持するためには、十分なタンパク質が必要です。健康的な食生活には、植物性タンパク質も含め、様々なタンパク質源を取り入れることが推奨されています。

ブロッコリーのタンパク質は、他のタンパク質源と比べると量が少ないですが、栄養価が高いことが特徴です。また、ブロッコリーには、アミノ酸の一種であるグルタミン酸が豊富に含まれており、筋肉疲労の軽減や筋肉の修復に役立つことが知られています。他にもシステインが豊富に含まれています。

システインには、肝臓の解毒作用を促進する効果があるため、肝臓の健康維持に役立ちます。また、システインは、グルタチオンの合成に必要なアミノ酸でもあります。グルタチオンは、細胞内の有害物質を除去し、免疫力を高める重要な物質です。そのため、ブロッコリーのタンパク質には、免疫力アップや体内の有害物質を排出するための解毒作用が期待できます。

また、タンパク質は筋肉を構成する栄養素であり、筋肉量の維持や増加にも必要です。運動や筋トレをする際には、タンパク質の摂取が重要になります。ブロッコリーは、野菜としては珍しく、タンパク質の含有量が多いため、健康的な筋肉量を維持するためにも積極的に摂取することがおすすめです。

さらに、ブロッコリーには、脂肪や炭水化物などの他の栄養素が少ないため、タンパク質をより効率的に摂取することができます。特に、ダイエット中の人々にとっては、ブロッコリーのような低カロリーの植物性タンパク質源は、カロリー制限をしながら適切な栄養素を摂取するために非常に有用です。　　

　ブロッコリーに含まれるタンパク質は、他のタンパク質源と比べてアミノ酸スコアが高く、消化吸収が良いため、効率的に体内に取り込むことができます。さらに、ブロッコリーに含まれるタンパク質は、脂質や糖質といった他の栄養素との組み合わせで摂取することで、身体の健康に必要な栄養バランスを維持することができます。

　また、ブロッコリーには、身体の免疫機能をサポートするビタミンCや、抗酸化作用があり、老化や病気を予防するとされるビタミンA、カロテノイド類が豊富に含まれています。これらの栄養素は、美容にも関連しており、肌の健康維持や美肌効果が期待できます。

　ブロッコリーには、スルフォラファンという成分が含まれています。この成分には、がん予防効果があるとされており、特に、肺がんや前立腺がん、乳がんなどの発生リスクを低下させることが報告されています。スルフォラファンは、ブロッコリーを調理する際に発生する酵素と反応して生成されるため、ブロッコリーを加熱することでより多くのスルフォラファンを摂取することができます。

　他にも、脂質代謝を促進する成分が含まれています。これにより、脂肪の蓄積を防ぎ、ダイエット効果が期待できます。さらに、ブロッコリーに含まれるカルシウムは、骨密度を維持するために必要な栄養素であり、骨粗しょう症などの骨の病気の予防にも役立ちます。

　またさらに、ブロッコリーには、食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整える効果があります。腸内環境が整えられることで、身体の代謝が良くなり、美容や健康に良い影響を与えることができます。

ブロッコリーには血糖値を安定させる効果があります。ブロッコリーに含まれる食物繊維は、消化吸収を遅らせ、血糖値の急激な上昇を防ぎます。そのため、糖尿病の予防や管理に役立ちます。

また、ブロッコリーには、心臓病を予防する効果もあります。ビタミンKやカルシウムは、血管壁の強化に役立ち、高血圧や動脈硬化などの心臓病の発生リスクを低下させます。さらに、ブロッコリーには、血液中のコレステロールを下げる効果があります。この効果は、体内の脂質を代謝する酵素を活性化させることで得られます。

最後に、ブロッコリーには、脳の健康にも良い影響を与えます。ブロッコリーに含まれるビタミンKやフラボノイドは、認知症やアルツハイマー病の予防に役立ちます。また、ブロッコリーに含まれるカルシウムは、神経細胞の活動に必要な栄養素であり、脳の健康維持にも役立ちます。

　以上のように、ブロッコリーには、健康や美容に役立つ栄養素が豊富に含まれています。また、ブロッコリーは、様々な調理法で食べることができるため、毎日の食事に取り入れやすい食材の1つです。ただし、過剰な摂取は消化器系のトラブルを引き起こす場合があるため、適量を守って食べることが大切です。　

• Dreher, M. L., & Davenport, A. J. (2013). Hass avocado composition and potential health effects. Critical Reviews in Food Science and Nutrition, 53(7), 738-750.
• Higdon, J. V., Delage, B., Williams, D. E., & Dashwood, R. H. (2007). Cruciferous vegetables and human cancer risk: epidemiologic evidence and mechanistic basis. Pharmacological Research, 55(3), 224-236.
• Houghton, C. A., Fassett, R. G., & Coombes, J. S. (2013). Sulforaphane and other nutrigenomic Nrf2 activators: can the clinician's expectation be matched by the reality?. Oxidative Medicine and Cellular Longevity, 2013.
• Li, Y., Zhang, T., & Korkaya, H. (2017). Micronutrient depletions in breast cancer: a mechanistic review of pathways, consequences and available interventions. Journal of cellular and molecular medicine, 21(12), 2827-2847.
• NHKウェブサイト. (2022). 栄養素でみる食材：ブロッコリー. [online] Available at: https://www.nhk.or.jp/kagaku/food/pickup/20120713.html [Accessed 14 Apr. 2023].
• USDA FoodData Central. (n.d.). Broccoli, raw. [online] Available at: https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/11090/nutrients [Accessed 14 Apr. 2023].
• • Palozza, P., Serini, S., Torsello, A., Di Nicuolo, F., Piccioni, E., Ubaldi, V., ... & Ranelletti, F. O. (2014). Mechanisms of lycopene in cancer prevention. Nutrition and cancer, 66(5), 782-798.
  • Padayatty, S. J., Katz, A., Wang, Y., Eck, P., Kwon, O., Lee, J. H., ... & Levine, M. (2003). Vitamin C as an antioxidant: evaluation of its role in disease prevention. Journal of the American College of Nutrition, 22(1), 18-35.
  • Rondanelli, M., Giacosa, A., Faliva, M. A., Perna, S., Allieri, F., Castellazzi, A. M., ... & Peroni, G. (2015). Review on the role of the essential amino acid L-tryptophan in human nutrition. International Journal of Tryptophan Research, 8, IJTR.S24294.
  • Shibata, M. A., & Criswell, K. A. (2015). Abnormal lipid metabolism in hepatocellular carcinoma. Hepatology research, 45(9), 906-912.
  • Tarazona-Díaz, M. P., Alacid, F., Carrasco, M., & Martínez, I. (2013). Watermelon juice: potential functional drink for sore muscle relief in athletes. Journal of agricultural and food chemistry, 61(31), 7522-7528.
  • U.S. Department of Agriculture, Agricultural Research Service. (2019). FoodData Central. [online] Available at: https://fdc.nal.usda.gov/ [Accessed 14 Apr. 2023].