2023/06/27

健康講座706 "食事のタイミングが健康を左右する?驚きの「セカンドミール効果」を知ろう"

みなさんどうもこんにちは。小川糖尿病内科クリニックです。

 食事をすると、体内でブドウ糖が生成され、血糖値が一時的に上がります。このブドウ糖はエネルギー源となるのですが、血糖値が長時間高い状態が続くと、さまざまな健康リスクが高まります。糖尿病、動脈硬化、肥満、認知症などのリスクが増えます。

ところで、食事と血糖値との関係についてある興味深い効果があることをご存知でしょうか。それが「セカンドミール効果」です。

「セカンドミール効果」は、一日の最初の食事が次の食事の血糖値の上昇を抑えるという現象です。つまり、朝食がランチの血糖値に影響を与え、ランチがディナーの血糖値に影響を与えるということです。この効果は、1982年にカナダのトロント大学のジェンキンス博士によって発表されました。

このセカンドミール効果を利用するためには、どんな食事が良いのでしょうか。いくつかの研究によれば、食物繊維が豊富な食事が良いとされています。穀物、特に全粒穀物、大麦、オートミールなどがおすすめです。これらは血糖値の上昇を緩やかにし、食物繊維も豊富で栄養バランスも良いです。これに加え、ナッツやフルーツを含むグラノーラも良い選択肢です。

しかし、パンやごはんだけの朝食では効果はあまり期待できません。全粒粉のパンや、麦ごはん、発芽玄米などを選ぶと良いでしょう。

血糖値のコントロールは健康維持の重要な要素です。食事の選択とともに、適度な運動やストレスの管理も重要です。健康なライフスタイルを送るためには、これら全てが大切です。セカンドミール効果を活用して、健康的な一日を過ごしましょう。

セカンドミール効果がどのようにして働くのかは完全には理解されていませんが、いくつかの理論が提唱されています。一つの説は、食事が消化されて腸に達すると、ブドウ糖の吸収を遅らせ、血糖値の上昇を抑制する特定のホルモン(GLP-1やGIPなどのインクレチンホルモン)が放出され、これが続く食事での血糖値上昇も抑えるというものです。

もう一つの説は、食事によって体内でインスリン感受性が上がり、それが続く食事でも持続するというものです。インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞に運び込む役割を持つホルモンで、インスリン感受性が高まると、同じ量のインスリンでもより効率的にブドウ糖を細胞内に取り込むことができ、血糖値の上昇が抑制されます。

これらの効果を最大限に活用するためには、食事内容だけでなく、食事のタイミングも重要です。適切な食事の間隔やタイミングを守ることで、血糖値のコントロールがより効果的になる可能性があります。

なお、セカンドミール効果による血糖値のコントロールは、糖尿病予防や管理だけでなく、健康な人々の健康維持やダイエットにも役立つと考えられています。毎日の食事により意識的に取り組むことで、全体的な生活の質の向上に寄与することが期待できます。


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