健康講座793 浮腫（むくみ）って何？ - 小川糖尿病内科クリニックの健康講座から

 

むくみの背景にあるメカニズム

私たちの身体は、血液を通して栄養と酸素を運ぶ一方で、余分な水分や老廃物を適切に処理しなければなりません。血液は毛細血管という細い血管を通り、そこから水分が周囲の組織、すなわち間質と呼ばれる部分へと移動します。この水分移動は、血管の中と外の圧力差によってコントロールされていて、正常な状態ではリンパ系が余分な水分を回収し、バランスを保っています。

1. 水分の移動バランス

この水分の移動は「Starlingの式」という数式で表されるんだ。この式には、水分が漏れ出る圧力と水分が引き寄せられる圧力の差が影響しているの。毛細血管の中の圧力と間質の圧力の差が大きいほど、水分は血管の外へと移動しやすくなるわけ。また、血液中のたんぱく質が作る引力によって、水分は血管の内側に引き寄せられます。このバランスが崩れると、水分が体の組織に溜まり始めるんだ。

2. 水と塩分の保持

もう一つの大きな要因は、体の水分と塩分（ナトリウム）の保持です。体がストレスを感じると、RAA系という体の防御システムが働き、血管の中の水分が減っても、水とナトリウムを体内に保持しようとするんだ。これが全身にむくみを引き起こすことがあるんだよ。

むくみの原因を見分けるヒント

むくみが出たとき、どこに、どんな風に出ているかで、原因を探る手がかりになるよ。

1. むくみがどこに出ているか

• 局所的なむくみ：特定の部位、例えば足だけに出ているむくみ。これはリンパ管の詰まりや炎症、怪我など、その部位独自の問題が考えられるんだ。
• 全身的なむくみ：これは、心臓や腎臓の働きが弱っている場合、または体のたんぱく質が足りなくなっているときに起こりやすいよ。

2. 皮膚の状態

• へこむむくみ（ピッティング浮腫）：指で押すとくぼんで、しばらくその跡が残るタイプのむくみ。これは心臓や腎臓の病気、低アルブミン血症など、多くのむくみがこのタイプに当てはまるよ。
• へこまないむくみ（ノンピッティング浮腫）：甲状腺機能低下症やリンパ浮腫の初期など、特定の条件で見られるむくみだよ。

簡単なチェック方法

むくみを見つけたら、次の手順で原因を絞り込んでみよう。

1. 皮膚を押してみる：へこむかどうかチェック。
2. むくみの場所を確認する：片方だけか、全身に出てるかな？
3. 熱感や疼痛があるか調べる：むくんだところが熱を持っていたり痛かったりするかもね。

もしこれで原因が特定できなかったら、医者の診察が必要だよ。詳しい検査で、なぜむくんでいるのかを調べてもらえるから安心してね。

まとめ

むくみは、単なる水分の問題ではなく、体のいろいろな部分が関わっている複雑な現象なんだ。でも、ちょっとした観察と基本的な知識で、自分の体が何を訴えているのかを理解する手がかりを得ることができるよ。この知識を持っておくと、健康を保つために役立つし、必要なときには早めに医療の手を借りることができるね。小川糖尿病内科クリニックでは、あなたの健康を一緒に守っていきたいと思っているから、むくみに気づいたら、ぜひ相談に来てくださいね。