2021/11/29

健康講座396 免疫不全者の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチンはどこまでやるのか

みなさんどうもこんにちは。

小川糖尿病内科クリニックでございます。

 疾患やそれに対する治療により免疫の機能が低下している免疫不全患者では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチンの防御効果を高めるために、4回目の接種が必要になるかもしれない。そんな研究結果が研究で示唆されたようでございます。


 免疫不全患者では通常、COVID-19の重症化リスクが高いです。しかし、これらの人では、免疫システムが正常に機能している人に比べて、2回のmRNAワクチン接種により得られる防御効果が低い可能性のあることが指摘されているのです。

 そこで今回、米疾病対策センター(CDC)が運営するデータを用いて、免疫不全患者におけるmRNAワクチン接種の有効性を調べたようです。免疫不全の成人2万101人(免疫不全群)、免疫システムが正常に機能している成人6万9,166人(免疫正常群)が含まれていたものです。これらの成人のうち免疫不全群の53%と免疫正常群の43%がmRNAワクチンの2回接種を完了していた。

 解析の結果、COVID-19に関連した入院に対するmRNAワクチン2回接種の有効性は、免疫不全群で77%、免疫正常群で90%であり、免疫不全群の方が低いことが明らかになったのです。この違いは、mRNAワクチンの種類や被接種者の年齢、デルタ株の蔓延時期に関わりなく認められたようです。また、ワクチンの有効性は、免疫不全群のサブグループ間で大幅に異なり、臓器移植患者または幹細胞移植患者の59%からリウマチ性疾患患者や炎症性疾患患者の81%までの幅があったようです。

 この結果は、免疫不全患者にとってもmRNAワクチンの2回接種は有益ではあるが、免疫システムが正常に機能している人に比べると、COVID-19重症化に対する防御力が大幅に低いことを示唆するものす。免疫不全患者では、ワクチンの2回接種後も防御力が十分ではないため、3回目の接種と、それにより得た免疫を持続させるためのブースター接種(4回目)を受けるのも一考かもしれません。

原著

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